欧州評議会、北コーカサスの人権状況について危惧を表明

(6/1 コーカサス・ノット) 欧州評議会は、近く開かれる議員総会(PACE)での総会決議に、チェチェン、イングーシ、ダゲスタンを含む北コーカサスの人権情今日への懸念を盛り込む決議案を作成した。

 この決議案は、ディック・マルティ報告を基にしており、チェチェンにおいては、現地当局が「恐怖の地域」にしており、反対勢力や人権活動家の行方不明が続いている。これらは、権力がラムザン・カディロフ個人の手に握られているために起こっており、「民主主義にとって衝撃」であると記されている。
イングーシでは2009年より暴力が増加しており、ダゲスタンでもテロ事件が多発している。これは現地当局の強権的な振る舞いに端を発していると、決議案は指摘している。

 報告者のディック・マルティ氏は、3月下旬にチェチェン、ダゲスタン、イングーシを訪問するとともに、ロシア連邦上院や、政府当局とも会合を行った。数年前、マルティ氏は北コーカサスに関する報告者に指名されているが、実際に現地を訪問したのは今回が初めて。

 この決議案は、PACEの人権委員会を満場一致で通過した。その一方、ロシア代表は妥協案の提案に向けた準備をしていることを明らかにした。

 原案では、チェチェン大統領ラムザン・カディロフ(親ロシア派)の個人的カルトについての記述や、チェチェン、イングーシ、ダゲスタンでの大規模な危機について語られている。
 
 ロシア代表の一人は、「我々は、ロシア連邦の利益の観点から、報告書および決議案の重要事項すべてについて、折衷案を準備している。したがって6月のPACE会合では、よりバランスの取れた報告書が提出されることになるだろう。われわれとPACEとの協力関係は実りあるものだが、今のところこの報告は、重要な論点から離れているだけでなく、黒か白かしかない結論づけや、ステレオタイプな見方が存在する」と主張している。

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