大統領を「首長」に改称 ロシア・チェチェン共和国

(2010.9.3 共同) ロシア南部チェチェン共和国の議会は2日、共和国の最高指導者である大統領の職名を「共和国首長」に改称する憲法改正を全会一致で可決した。...カディロフ共和国大統領が「ロシアの大統領は(ロシア連邦大統領の)1人でいい」として提案していた。

http://sankei.jp.msn.com/world/europe/100903/erp1009030033001-n1.htm

 これには当然、チェチェン共和国憲法改正が必要になるはずだが、親ロシア派が不正に導入した憲法には、改正についての項目が存在しない(!!)。

 今、親ロシア派が基本法としている2003年憲法は、もともと、チェチェンが事実上独立していた時代に採択された1992年憲法の改定過程をまったく無視して、ロシアの暴力を背景として導入された憲法である。その2003年憲法においては「大統領制をやめる」といった、大きな変更が、何ら民意の裏付けを必要としないようだ。この事実そのものが、チェチェンにおける政治に、立憲制のかけらもないということを示している。

 二つの憲法の日本語訳と、それについての考察はこちら:

チェチェン戦争」という名のクーデター
http://d.hatena.ne.jp/chechen/20090424/1240581553

チェチェン共和国憲法(仮訳)(イチケリア憲法/1992年制定)
http://chechennews.org/archives/constitution-ichkeria.htm

チェチェン共和国憲法(仮訳)(ノフチーン憲法/2003年)
http://chechennews.org/archives/constitution-nokhchien.htm