#418 ダゲスタンからの便り

chechen2014-01-21

チェチェンニュース(転送・転載・引用歓迎)

 チェチェン連絡会議のサイトに、北コーカサスのダゲスタンからの報告が掲載されました。首都マハチカラ市街でも、毎日のように銃声が聞こえてくるそうです。

 冬季オリンピックの開かれるソチとダゲスタンは、直線距離で600キロ程度しか離れていません。たとえば東京でオリンピックを開くなら、姫路あたりで軍と抵抗勢力の戦闘が起こっている上、首都を含めて、全国どこで自爆攻撃があるかわからない、という状況。欧米の首脳が開会式に欠席するのは、ある意味で当然だと思います。

 こんな悪条件で開かれるオリンピックがあったでしょうか。

 中国の習近平国家主席は出席します。ロシアにおけるチェチェンと同じように、国内でチベットウイグルを弾圧しているから、「分離主義」には屈しないという意志を見せる必要がある、ということかもしれません。日本の安倍首相も、なぜか出席します。

 国際的な行事なので、マスメディアの報道はお祝いムードのようですが、これを機に、これまで北コーカサスで何が起こってきたか、チェチェンやダゲスタンがどんな弾圧にさらされているかを伝えてほしいと思います。


■北カフカス情勢 ダゲスタンからの便り

 ダゲスタンの首都マハチカラから、最近の雰囲気を伝える便りが届いた。ソチオリンピックに向けて、治安組織の警備が、以前よりさらに厳しくなった。バスの運転手たちは、検問が厳しくて何時に目的地に着くのか、予想がつかないとぼやいている。

 北オセチアの首都ヴラジカフカスからダゲスタンの首都マハチカラまでは、ロストフ・バクー幹線道路で、問題無ければ4時間ほどの距離だが、8カ所に検問所(ブロックポスト)がある。西から東へ北オセチア・イングーシ・チェチェン・ダゲスタンと続くのだが、共和国同士の境界だけでなく、各首都への出入口でも検問が行われ、この数になるのだ。

 マハチカラでは、街の中心部にも毎日、銃声が聞こえてくる。ダゲスタンの検問は、一般的な警察である民警(ミリツィア)と重武装のOMON(特別任務警察部隊)の共同で行われている。ダゲスタンのOMONは、黒い目出し帽を常時着用し、大変に威圧的だ。それと較べると、「カディロフツイ」で知られるチェチェンのOMONが、目出し帽を着用しないので、まだ穏和に見えるほどだ。

 ダゲスタンは、ロシア領内でも指折りのワインやブランデーの名産地だが、イスラーム武装勢力の度重なる酒屋襲撃におびえて、酒類取扱いをやめる店が増えている。住民の間では、以前からオリンピックが終わったら、世間の関心もが薄れるので、その後戦争が始まるのではないかと、専らの噂だったが、ソチオリンピックが目前に迫って、不安が募っている。

KavkazPortal 2014/01/16
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