CP:アルサノフ殺害についてのザカーエフ声明(抄)

(要旨:アルサノフ殺害についての正確な情報は何もない。ただ、アルサノフが欧州評議会議員総会(PACE)の準備していた「ラウンド・テーブル」、つまりチェチェン独立派の参加できない「円卓会議」に、親ロシア派チェチェンの代表としての出席を強要されていたとすれば、アルサノフに起こったことは、西側の人権擁護機関がロシアの犯罪に荷担し始めたことを示す。チェチェン大統領特使・政府在英代表のA・ザカーエフの声明)


5月15日午後以来、チェチェン共和国イチケリアの元副大統領、ヴァッハ・アルサノフの殺害についての、いいかげんで矛盾した情報が流された。今のところ、ヴァッハ・アルサノフの殺害に関して公式にお知らせできることはない。

・・・われわれの情報では、ヴァッハ・アルサノフは2005年1月中旬に、チェチェンの首都の西郊、チェルノレチェ集落で捕らえられ、ホシ・ユルト(ツェントロイ)にあるラムザン・カディロフの私有収容所に収容された。ここで、元副大統領は侵略者に協力するように拷問されたという情報があり、それは反チェチェン的な声明を出すこと、そして、欧州評議会議員総会(PACE)のいわゆる「ラウンド・テーブル」に代表者の一人として出席することだった。

これについては、ぜひPACEの一部の人々には、よく覚えておいてほしい。チェチェン共和国の住民の犠牲者が増えようと、人質がどれだけ増えようと、恣意的な処刑が横行しようと、ロシア−チェチェン戦争の和平確立をめぐる、冷笑的なゲームとパフォーマンスを続ける彼らには。人権を掲げる、権威あるこの国際機関は、自発的にであれ非自発的にであれ、プロパガンダの横断幕に形を変えつつあり、チェチェン人に対する深刻なジェノサイドが遂行される陰で、クレムリンの犯罪への共犯者となろうとしている。ヴァッハ・アルサノフに対する拷問の目的が侵略者への協力とPACEの「ラウンド・テーブル」への参加だったこと、そして彼の殺害の情報が物語っていることは、まさにそのことなのだ。

血塗られたクレムリンの政権の中で常識というものが消え去っていることは言うまでもなく、いかなる常識的な判断も政策も存在しない。しかし、どうしても覚えておきたいのは、国際社会や国際機関が、これの代弁者となって、人道に対する罪を推奨し、KGBプーチン一派に荷担するかぎり、遅かれ早かれ巨大な問題がヨーロッパにのしかかるだろう。それは、良心の欠けた政治家によって握られた、近代でもまれに見る、攻撃的で犯罪的な政権に対する不処罰の風潮を育て、蔓延させることになるのだ。

http://www.chechenpress.co.uk/english/news/2005/05/21/01.shtml