ポリトコフスカヤ暗殺容疑のFSB中佐、釈放か?

9月3日 モスクワ (RIA Novosti)

原文:
http://en.rian.ru/russia/20070903/76248555.html

 本日、モスクワ地区軍事裁判所は、アンナ・ポリトコフスカヤ記者暗殺事件の容疑に問われているパヴェル・リャグゾフFSBロシア連邦保安局)中佐の逮捕が違法であるという裁定を下した。

 モスクワ地区軍事裁判所は、下級裁判所―リャグゾフ中佐の逮捕を認めた―の判断を覆し、新たな聴取を命じた。

 リャグゾフは現在収監されている。

 8月21日、リャグゾフは2002年に犯した職権濫用および誘拐、不法侵入といった罪に問われて逮捕された。

 リャグゾフの弁護士は、リャグゾフは正式にポリトコフスカヤ暗殺の容疑をかけられているわけではないと語っている。

 先週、ユーリー・チャイカ検事総長は、事件について「実行グループを直接組織した人物や共犯者、実行犯」など10名を逮捕したと発表した。

 先週木曜日(訳注:8月30日)、ロシア検察当局は、ポリトコフスカヤ暗殺事件の容疑者2名―アレクセイ・ベルキンとオレグ・アリモフ―を釈放した。

 コメルサント紙やロシア日刊ビジネス紙によると、チャイカが発表した別の容疑者―元警察幹部のセルゲイ・ハジクルバノフ―には鉄壁のアリバイがあるという。ハジクルバノフは、2004年に犯した職権乱用の罪に問われて、2006年12月―少なくとも事件から2ヵ月後―まで収監されていたのだった。

 チャイカは、チェチェン出身のモスクワ犯罪組織のボス―ポリトコフスカヤを知っていた―が暗殺を計画していたこと、捜査で元治安当局者と現役治安当局者を逮捕したことを報じた。

 ポリトコフスカヤの殺害を命じた犯罪組織のボスは彼女と既知の間柄で面識もあったようだとチャイカは述べている。

 チャイカは、容疑者は国外にもいると述べたが、名を挙げようとはしなかった。「捜査中なので容疑者の名前を出すことはできない」とチャイカは語った。

 チェチェンにおけるクレムリンの政策に対する批判で知られるアンナ・ポリトコフスカヤは、2006年10月7日、自宅のアパートのエレベータ前で何者かに銃で暗殺された。享年48歳。