イングーシ、ダゲスタンなどでゲリラ戦激化か?

5月29日、イングーシのマルゴベクスキー地区のヴェルフニエ・アチャルキ村で、北オセチアに向けて自動車で行動中だったロシア軍兵士が銃撃され、後に一名が死亡した。またスンゼンスキー地区でも24日にロシア内務省軍とゲリラの間に小規模な戦闘があった。RIAノーボスチなどによればロシア軍側に被害はなく、戦闘に加わった「非合法武装勢力」についての詳細はわかっていない。23日にも、同地区で爆弾が仕掛けられて内務省軍兵士が負傷する事件があった。5月23日、イングーシの町ナズラニで、市中に設けられた陣地が、グレネードランチャー自動小銃武装したゲリラによって攻撃されたが、ロシア当局は被害は軽微と発表している。
5月25日、ダゲスタンの都市マハチカラでは、共和国内務省経済犯罪対策副局長のアフマディン・アブサルディノフ大佐が銃によって殺害された。現地報道では、同大佐は長年汚職問題を担当していた。また26日、ダゲスタン財務省の自動車に仕掛けられた爆弾が爆発したが、犠牲者は出ていない。

5月24日には、カバルディノ・バルカリアで内務省組織犯罪対策局(UBOP)の職員2名が、ゲリラの襲撃を受けて死亡した。この事件では、ナンバープレートを外して走行するVAZ-2110型自動車に乗ったゲリラたちが、UBOP職員らの乗るマツダ車に向けて銃撃した。他にも19日にUBOP元職員などを狙った襲撃事件が起きている。

チェチェンでは、5月4日にグロズヌイのスタロプロミスロフスキー地区で5人の警察官が死亡した爆弾事件で「ギャング・リーダー」とされたアブ・イスブハジエフが、逮捕直前に銃で抵抗し、手りゅう弾によって自殺した。ロシア側報道機関は、イスブハジエフがチェチェン独立派が指揮する中央戦線の一員だったと指摘している。

May 29, 2008―Volume IX, Issue 21
Chechnya Weekly - Volume IX, Issue 21 May 29, 2008