海外派兵に反対する全国のみなさんへの緊急アピール

 「麻生政権と自民・公明両党に対し、『海賊対処法案』の撤回を求め、ソマリア沖とインド洋・アラビア海から自衛隊を撤退させることを要求する市民の共同声明」にご賛同をお願いします!!

 呼びかけ人 石川逸子(東京都) 井上澄夫(埼玉県) 浦島悦子(沖縄) 大谷正穂(山口県) 奥田恭子(愛媛県) 加賀谷いそみ(秋田県) 梶原得三郎(大分県) 木村眞昭(福岡県) 辻子 実(東京都) 寺中正樹(山口県) 花村健一(東京都) 廣橋隆一(山口県) 渡辺ひろ子(福岡県) 〔50音順、5月31日現在〕

2009年5月31日

 東アフリカ・ソマリア沖のアデン湾で、3月30日から、海上自衛隊の艦隊による「海賊対処」が続いています。それに加え、海自のP3C対潜哨戒機2機が派遣されました。さらに関連物資輸送のため、航空自衛隊のC130輸送機が動員されました。それら海空自衛隊機が利用するのはアデン湾に面するジブチ共和国ジブチ国際空港です。同空港に作られる海自の駐機場を警護するためとして、海外派兵のために新設された「中央即応連隊」約50人もジブチに送り込まれました。海外派兵における「三軍統合運用」が始まったのです。

 しかも憲法9条2項の「国の交戦権の否認」に明らかに違反する「危害射撃」の容認を含む「海賊対処法案」は、現在、参院で審議中です。同法案はまた海自による護衛の対象を日本関係船舶だけではなく、すべての外国船舶に広げています。海上自衛隊は世界のどこででも「海賊行為に対処」できるようになるのです。

 この法案はすでに衆院を通過しており、同法案を参院が否決すれば、衆院決議が国会の決議とされてしまいます。このままでは、法案の6月中の成立は必至と報道されています。

 しかし、ここであきらめるわけにはいきません。政府・与党に対し最後まで「海賊派兵法案」を撤回し廃案にすることを強く要求しようではありませんか。

 事態は非常に切迫しています。下の「市民の共同声明」に無数の個人や団体が賛同して下さるよう、心から訴えます。また、本メールを転載・転送してどんどん広めて下さるよう、ご協力を切にお願いします。

◆【ご賛同について】 賛同は、個人・団体を問いません。個人の場合は氏名(フルネーム)、団体の場合は正式名称をお知らせ下さい。

◆【声明のあて先と提出の仕方】
 「市民の共同声明」は、麻生首相、浜田防衛相、中曽根外相と自民・公明両党に送られます。事態が急迫しているので、個人・団体の賛同件数が数十に達したら「第○次集約分」として、順次、麻生首相・浜田防衛相・中曽根外相と自民・公明両党に送ります。

 賛同を募るアピールをネット上で何度か繰り返しますが、第2回以降、それまでの賛同件数を報告します。むろん、この共同声明運動が終了しましたら、最終的な結果をまとめて報告します。

◆【ご賛同の期限について】 当面、締めきりは設けません。事態が非常に流動的で予断を許さないからです。

◆【賛同表明の通知先】 下のメールアドレスにご送信下さい。この共同声明への賛同表明の集約を目的とした専用メルアドです。論争用ではありません。

haheisosi@mbn.nifty.com
 
 以下、声明です。

麻生政権と自民・公明両党に対し、「海賊対処法案」の撤回を求め、ソマリア沖とインド洋・アラビア海から自衛隊を撤退させることを要求する市民の共同声明

 東アフリカ・ソマリア沖に派遣された海上自衛隊の艦隊は去る3月30日、ソマリア沖アデン湾で「海賊対処」を始めた。以来、海自艦隊による活動が続いているが、それに加えて、海自のP3C対潜
哨戒機2機が海自隊員約100人とともにアデン湾に面するジブチに派遣された。しかも関連装備品輸送のためとして航空自衛隊のC130輸送機が派遣され、ジブチ国際空港内に設けられる駐機場警備を口実に、海外活動のために新設された陸上自衛隊「中央即応連隊」約50人が送り込まれた。

このような海・陸・空自衛隊の活動は「三軍統合運用」であり、自衛隊の海外活動がいよいよ本格的な段階に踏み込むことを示すものだ。海自のP3C派遣は海外での実任務としては初めてであり、「中央即応連隊」は創設後初の実任務を負う。また空自のC130輸送機派遣は昨年末終了したイラクでの活動以来初めてである。

 そもそも海自艦隊のソマリア沖派遣自体、自衛隊法82条が規定する「海上警備行動」を恣意的に拡大解釈することで強行されたのであり、それ自体容認できないが、政府・防衛省が今回の「三軍統合運用」によってめざすものは、「海賊対処」を口実に海外に自衛隊基地を確保しつつ、「国益防衛」を海外派兵の大義として押し出すことである。

 麻生政権による「海賊対処」は、明らかに日米同盟に基づく米国の「対テロ戦争」支援作戦の一環である。オバマ政権はイラクからの撤兵についても足踏み状態であり、アフガニスタンへの米軍増派で同国を主戦場にしつつ、パキスタンに戦火を拡大している。

 国会で審議中の「海賊対処法(案)」(「海賊行為の処罰及び海賊行為への対処に関する法律案」)は、海自の活動に「海賊対処」を加えるだけではなく、海自に大幅な武器使用の緩和を認めている。これは先制的な「危害射撃」によって人を殺しても罪にならないと規定しており、「国の交戦権の否認」を定めた憲法9条2項に明らかに違反する。「海賊対処法」は自衛隊の随時出動を許す恒久法(一般法)であり、政府・防衛省は同法案の成立を踏み台に「海外派兵恒久法」を制定しようとしている。

 それゆえ私たちは、麻生政権と与党である自民・公明両党に以下のことを要求する。

  • ソマリア沖海域から海上自衛隊艦隊を即時帰還させること
  • 海自のP3Cと陸自「中央即応連隊」をただちに帰還させ、空自C130輸送機による輸送活動を止めること
  • アフガニスタン侵略を続ける米軍を支援するためのインド洋・アラビア海での海自の給油活動を停止し、補給艦隊を帰還させること
  • 国会で審議中の「海賊対処法案」を撤回すること
  • 「海外派兵恒久法(一般法)」を制定しないこと

以上