アンナ・ポリトコフスカヤの遺族、真剣な捜査を呼びかける (Gurdian 6/25)


 アンナ・ポリトコフスカヤの遺族は、最高裁判所が容疑者グループに対する無罪判決を取り消し、陪審ぬきで再審を行うよう命じた決定を受けて、事件の真剣な捜査を行うよう訴えた。

 アンナの息子イリヤとヴェーラは、「ロシア政府は母の殺害事件に対して、意味のある捜査を行い、殺害を指示した人間を明らかにするべきだ」とコメントした。

 遺族側は、ノーヴァヤ・ガゼータの紙上で、次のような声明を発表した。

 「さらなる捜査を行うことだけが、この事件の解決につながると主張してきた者として、私たちは確信しています。捜査の手はまったく真犯人に近づいていません。真の捜査をしなくてはなりません」
 チェチェン人のジャブライル/イブラギム・マフムードフ兄弟と、モスクワ警察の元警官セルゲイ・ハジクルバノフ、およびパーヴェル・リャグーゾフ元FSB少佐は、それぞれ今年2月のモスクワ地区軍事裁判所での裁判で無罪の判決を得ていた。

 2月に結審した裁判の際、4人の犯行を裏付ける決定的な証拠は存在しなかった。また、主犯とされるルスタム・マフムードフにいたっては「国外に逃亡した」ことになっていた。「嘆かわしいまでに証拠が不足」していたために、アンナの遺族は、無罪判決に同意した。

 その際、遺族側のカリンナ・モスカレンコ弁護士は、「検察側が、カディロフを喚問しなかったのは大きな疑問だ」と批判していた。ラムザン・カディロフは事件への関与を否定している。また、事件がプーチン大統領(当時)の誕生日に発生したことを、事件への考察にまったく加えなかったことにも疑問を呈している。「この事実が事件に関連していても、していなくても、無視することはできないはずなのです」と。

 プーチンは殺害事件の3日後、事件を評して「取るに足りない事件だ」、アンナが「西側で知られていただけだ」、「ロシア政府を批判していた」、そして「結構なことだ」と付け加えた。

http://www.guardian.co.uk/world/2009/jun/25/politkovskaya-children-genuine-investigation-call