#314 『アンナへの手紙』上映会のお知らせ!


11.20 アンナ追悼上映会
(バナー作りましたので、ぜひお持ち帰りください)

【転送・転載歓迎】チェチェンニュース #314


* アンナ・ポリトコフスカヤ暗殺3周年・追悼特別上映会のお知らせ
* 『アンナへの手紙』に寄せて ──私たちの希望のためにも

* イベント情報


 11月20日金曜日、東京の文京シビックホール・小ホールで、アンナ・ポリトコフスカヤを追悼する映画『アンナへの手紙』を上映します。UNHCRの難民映画祭、アムネスティ・フィルムフェスティバルと、二度しか上映されたことがなく、今後の予定もないというレアな作品です。ぜひ、ご覧ください。

 また、この情報を、あなたのブログやmixitwitterはてブなどで広めていただけると嬉しいです。URLはこちらをご利用ください: http://tinyurl.com/ap1120
 
 前売券、あります。次のサイトをご覧ください。
http://d.hatena.ne.jp/chechen/20090821/1257378281

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アンナ・ポリトコフスカヤ暗殺3周年・追悼特別上映会のお知らせ

ドキュメンタリー映画『アンナへの手紙』
エリック・バークラウト監督作品(83分)

  日時 2009年11月20日(金)19:00〜21:40
  会場 文京シビックホール・小ホール
  http://www.b-academy.jp/b-civichall/access/access.html
  参加費 1,000円
  共催:チェチェン連絡会議/(社)アムネスティ・インターナショナル日本

  ★上映後、トークイベント開催!
   特別企画:鼎談「アンナ・ポリトコフスカヤを語る」(仮題)
   林 克明(ジャーナリスト)×寺中 誠(アムネスティ日本事務局長)
                    ×大富 亮(チェチェンニュース)

  チラシ: http://chechennews.org/dl/20091120_anna_leaf_omote.pdf
       http://chechennews.org/dl/20091120_anna_leaf_ura.pdf


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■『アンナへの手紙』に寄せて ──私たちの希望のためにも

  大富亮(チェチェンニュース)

 ロシアのジャーナリスト、アンナ・ポリトコフスカヤ。彼女は1999年に始まった第二次チェチェン戦争を偶然取材するようになり、幾度となくチェチェンに潜入しては、軍事侵攻を続けるプーチン政権を痛烈に批判する記事を書いた。

 「どうして私が生きているのかわからない−奇跡だわ」と語る彼女。悲しいことに、その奇跡は世界の見ている前で取り消された。2006年にモスクワの集合住宅で、彼女は暗殺されたのである。

 この映画は、生前のアンナへのインタビューや、一緒に独立紙「ノーヴァヤ・ガゼータ」で働いていた同僚たち、人権活動家などへの聞き取りを通して彼女への「手紙」を編もうとする。

 ソ連崩壊後、ロシアではほんのわずかの間の民主化言論の自由があったが、94年にチェチェンへの侵攻が始まって失われ始め、2008年現在、ほぼすべてのテレビ局と新聞は政府の管理下にある。

 チェチェン戦争は、南ロシア・コーカサス地方というロシア全体から見ればごく小さな場所で起こっている地域紛争だ。独立を宣言したチェチェン共和国に対してロシア軍が侵攻を開始し、ここに住んでいた100万人ほどのチェチェン人のうち20万から25万人が殺戮され、今は親ロシア派のチェチェン人、ラムザン・カディロフによる傀儡(かいらい)政権が支配している。

 生きていた頃のアンナがスクリーンの中で笑っている。あのハスキーな声で議論をするのが聞こえる。講演の合間に、ヨーロッパのどこかの公園を逍遥している姿は、戦争とロシアの現実を訴えて回り、それが「上品な拍手」に迎えられながらも何の結果にもつながらないという絶望をにじませているように思える。

 人の死は徐々に忘れられていくけれど、大勢の人を代弁し、その命を救おうとした人の死は忘れられてはならないものだ。それは私たち自身も、そんな人間でありうるという希望を忘れないためでもある。

 なお、日本では彼女の著作は「チェチェンやめられない戦争」、「プーチニズム 報道されないロシアの現実」、「ロシアン・ダイアリー 暗殺された女性記者の取材手帳」の3冊がNHK出版から刊行されている。


アンナ・ポリトコフスカヤ

 ロシアのジャーナリスト。1958年生まれ。1980年、国立モスクワ大学ジャーナリズム学科卒業。モスクワの新聞「ノーヴァヤ?ガゼータ」紙評論員。1999年夏以来、チェチェンに通い、戦地に暮らす市民の声を伝えてきた。「ロシアの失われた良心」と評され、その活動に対して国際的な賞が数多く贈られている。2004年、北オセチアの学校占拠事件の際、現地に向かう機上で、何者かに毒を盛られ、意識不明の重態に陥った。回復後、取材/執筆活動を再開する。2006年10月7日、モスクワ市内の自宅アパートで、凶弾に倒れた。著書に『チェチェンやめられない戦争』(NHK出版)など。


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■イベント情報

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★11/20 文京:アンナ暗殺3周年・追悼特別上映会「アンナへの手紙」

http://d.hatena.ne.jp/chechen/20090821

 チェチェンを追いかけたジャーナリスト、
 アンナ・ポリトコフスカヤアンナの死をめぐるドキュメンタリー。
 彼女を知る人々がつづる「手紙」。

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★10/24-11/8 全国:アムネスティスピーキングツアー「奪われた人生」
                グアンタナモ収容所の真実を語る

http://d.hatena.ne.jp/chechen/20090905/1252121385

 無実の罪でキューバグアンタナモ収容所に収容されていた
 ムラット・クルナズさんが初来日し、自らの体験を語る。

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★11/3-15 明大前:写真展/トークイベント「世界187の顔」〜生命の現場から〜

http://www.jvja.net/The%20Face%20187.htm

 今という時代を、この地球に生きる人々の顔を見つめなおしてみる。
 気候変動も、戦争も、自然災害も、すべては私たちの毎日に関わっている。

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★11/7 大崎:ミニシンポジウム「グルジア 映画・文化・歴史」

http://d.hatena.ne.jp/chechen/20091014/1255476488

 グルジアより来日した歴史研究者Bondo Kupatadze氏を迎え、
 映画とレクチャーを通じてグルジアの魅力に迫る。
 オタル・イオセリアニ監督の『落葉』の上映も。

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★11/20 池袋:シンポジウム 新疆ウイグルチベットでの騒乱をどう見るのか

http://apc.cup.com/

 反革命暴動なのか、民族自決を唱えた抵抗闘争なのか。
 新疆ウイグル自治区チベット自治区で続く少数民族中央政府との対立。
 宗教、海外の干渉、報道、資源、社会主義体制への反発を多角的に検証する。

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★11/29 四谷:反戦と抵抗の祭〈フェスタ〉09

http://tinyurl.com/ycxwltl

誰かを殺して 成り立つ世界 誰かを支配することで 保たれる社会
そんな生活はイヤだ! 智恵を絞って 「抵抗を発明」しましょう

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★12/5 蒲田:「終焉に向かう原子力」(第9回)

http://d.hatena.ne.jp/chechen/20091028

  小出裕章氏(京大原子炉実験所)「原子力の場から視た地球温暖化問題」
  藤田祐幸氏(物理学者)「電源としての原子力と軍事としての原子力
  広瀬隆氏(作家)「いよいよ迫る東海大地震浜岡原発
  力を合わせて、危険な原子力の時代を終わらせよう。

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★12/5-14 都内:東アジア死刑廃止大会2009

http://www.abolish-dp.jca.apc.org/asia/front.html

  もし裁判員に選ばれたなら、あなたは死刑判決を下せますか。
  今、立ち止まって、考えてみませんか。死刑囚という人生を。
  そして、私たちの暮らす、この社会のことを。
  日本や韓国など東アジア各国から、作家や研究者、宗教者、NGOが集います。

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★12/5 大崎:公開シンポジウム「ヨーロッパとアジアのエネルギー安全保障」

http://d.hatena.ne.jp/chechen/20091104/1257297629

  藤岡明房(立正大学経済学部教授)「世界と日本のエネルギー事情」
  世界第4位の石油企業トタルの日本法人社長の講演、
  「世界におけるトタルの活動と今後のエネルギー需要の動向」など。

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★12/6 猿楽町:〈危機〉のネットワーク 
          治安管理/安全保障から日本とイスラエルを考える

http://midan.exblog.jp/12764691/

  911をきっかけとした世界的な管理/監視体制の進行は、
  『危機管理先進国』イスラエルにも、私たちの日本にも大きな影響を
  与えた。周辺諸国から孤立しつつ、アメリカとの二国関係に依存してきた
  イスラエルと日本。二つの国を同時に照らし出す視角はあるか。  

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■映画・連続講座

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★ 連続講座:ジャーナリスト実践養成講座

http://apc.cup.com/

  マスメディア業界を目指している方、フリーで取材する方、
  ブロガーなど記事文章の上達を目指している方にお薦めの実践養成講座。
  「ジャーナリストのための実践英語入門講座」など幅広く。

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★『鶴彬 ーこころの軌跡ー』

http://tsuruakira.jp/

  万歳とあげて行った手を大陸へおいて来た──
  数多くの鋭い反戦川柳を詠んで戦争反対を貫き、獄中に果てた鶴彬の生涯。

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★『沈黙を破る』

http://www.cine.co.jp/chinmoku/

 考えるのをやめたとき、僕は怪物になったーー
「祖国への裏切り」と非難されながらも加害行為を告白する、
  若いイスラエル兵士たちがいた。

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★『チェチェンへ アレクサンドラの旅』

http://www.chechen.jp/

  孫へのまなざし 平和への祈り ロシアの見たチェチェン

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★『ビリン・闘いの村』

http://www.hamsafilms.com/bilin/

  パレスチナ暫定自治区ヨルダン川西岸のビリン村。
  若者たちは非暴力の闘いに立ち上がった。

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