#323 緊急情報チェチェン難民強制送還の危機

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INDEX

 * 緊急情報 チェチェン難民強制送還の危機
 * イベント情報


 アムネスティから、緊急情報が届きました。ウクライナにいるチェチェン難民が、ロシアに強制送還される可能性が出てきたそうです。彼は身体障害者で、オーストリア難民認定を受けているので、法的な立場は強いにもかかわらず、ウクライナ当局が引き渡そうとしています。

 このメールを読んでいる方にお願いです。ぜひ、ウクライナ検事総長にファックスで要請をしてください。インパクトのあるファックスシートを作りましたので、こちらをダウンロードして使っていただけるとうれしいです。

 (ファックス番号なども記載してあります)

 PDF版: http://chechennews.org/dl/20100119_kiev/kiev.pdf
 Word版: http://chechennews.org/dl/20100119_kiev/kiev.doc

 一年前の今日、モスクワの街の中心部で、弁護士のスタニスラフ・マルケーロフと、ジャーナリストのアナスタシア・バブーロワが、殺害されました。チェチェンで強姦絞殺された少女エリザ・クンガーエワの弁護士と、ノーヴァヤ・ガゼータの記者でした。事件はいまだに解決していません。

 日本からの声明: http://d.hatena.ne.jp/chechen/20090123/1232684738


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アムネスティ・インターナショナル 緊急行動(UA)情報

 国名:ウクライナ
 対象者:チェチェン人難民

チェチェン人難民がロシアに強制送還の危機、送還されれば拷問の恐れあり。

チェチェン民族のアーメド・チェタエフは、ウクライナからロシアへの強制送還の危機にある。もし送還された場合、公正でない裁判にかけられる可能性があり、「自白」を引き出すために拷問や他の虐待行為を受けるおそれがある。チェタエフはオーストリア難民認定を受けており、正規のビザでウクライナを訪れていた。ウクライナは難民条約と拷問等禁止条約の加盟国であり、両条
約は拷問を受けるおそれのある国への送還を禁じている。

アーメド・チェタエフは身体障害者で、1月3日にウクライナスロバキアの国境に近いウズホロド市でロシアの国際指名手配に基づいて警察に拘留された。現在はウズホロドの裁判前拘禁施設に留置されている。

ロシア当局はチェタエフがテロ容疑で指名手配中であるという理由で、身柄の引渡しを求めている。2000年にロシアのチェチェン共和国ウルス・マルタンで起きたロシア軍とチェチェン独立派の戦闘において、チェタエフは腕と胃を負傷したが、病院に搬送される前にロシア軍に捕らえられた。ひどい重傷を負っていたにもかかわらず、電気ショックを含む拷問を受けたと伝えられている。
チェタエフの片腕は後に切断された。チェタエフと家族はその後アゼルバイジャン経由でオーストリアに逃れた。

チェタエフは2003年11月24日にオーストリアで連邦保護局により難民認定を受
け、妻と3人の子供と共に暮している。

背景情報:
アムネスティ・インターナショナルと当地域で活動する他の人権団体は、ロシア連邦内で多くのチェチェン人が起訴されている事を懸念している。拷問によって引き出された「自白」に基づいて、非合法武装集団への参加やテロ活動などの罪名で告発が行われている。さらに、チェチェン人容疑者の裁判には不備があり、捏造された証拠に基づいているという疑惑もある。2006年2月、チェチェン人権オンブズマンのヌルディ・ヌハジエフは、ロシアで有罪判決を受けて服役中のチェチェン人の多くは冤罪であり、大半の事件は再審にかけねばならないと述べたと報じられている。これまでのところ、拷問を行った当局職員の起訴につながるような調査はほとんど行われておらず、この事は当地域
で犯罪が見過ごされる風潮をもたらしている。

ウクライナはこれまでに度々、国際人権法・難民法の定める義務に反して難民と庇護希望者の権利を侵害してきた。ウクライナ当局は数度にわたり、チェチェン民族のレマ・スサロフをロシアに強制送還しようとした。スサロフはUNHCRによって難民として認定されており、送還されれば拷問を受けるおそれ
があったにもかかわらずである。スサロフは2008年7月に解放され、フィンランドからの保護の申し出を受ける事 を認められた。(UA 207/07, EUR50/003/2007および続報を参照) 2008年3月4日・5日にはウクライナ当局はタミル民族の庇護希望者11人をスリランカに強制送還した。彼らはスリランカで人権侵害と虐待を含む深刻な人権侵害を受ける恐れがあった。11人のうち6人は、ウクライナ難民認定申請していたが、異議申し立ての権利もなく強制送還された。2009年8月31 日にはボリスピル空港にコンゴ民主共和国籍の6人が到着し、うち1人は明白にウクライナへの亡命を求めていたにもかかわらず、6
人は9月2日にウクライナから強制送還された。直近では11月28日に、ウクライナ政府は8人のアフガニスタン人をドバイに送還した。8人の内訳は3人の女性と、3歳から 15歳の子供5人である。(UA
318/09, EUR 50/004/2009と続報を参照) 8人はイギリスで難民認定を受けている家族に合流しようとしていたところだった。


アクション:ロシア語かウクライナ語か英語で速やかに以下のアピール文を作成してください。または同じ内容のアピール文(英語)が宛先の下にありますので、そちらをご利用ください。
2010年2月22日までに、作成したアピール文を下記の宛先に送ってください。

ウクライナ当局にアーメド・チェタエフをロシアに引き渡さないよう要請する。チェタエフは国際的保護を受けるべき難民認定者だからである。
ウクライナ当局に、難民条約と拷問等禁止条約の加盟国である事を再認識させる。難民や庇護希望者を、死刑や拷問、その他の重大な人権侵害を受ける恐れのある国へ強制送還しては
ならない。

宛先:

検事総長
Oleksandr Medvedko
Prosecutor General
vul. riznitska 13/15
01601 Kyiv, Ukraine
Fax: +380 44 280 2851
書き出し: Dear Prosecutor General


コピーの宛先:

駐日ウクライナ大使

〒106-0031
東京都港区西麻布3-5-31
在日ウクライナ大使館
ファックス:03-5474-9772

駐日大使:ミコラ・クリニチ閣下
His excellency Dr. Mykoa A. Kulinich



(アピール文:検事総長宛の場合)

Mr. Oleksandr Medvedko
Prosecutor General
vul. riznitska 13/15
01601 Kyiv, Ukraine


Dear Prosecutor General,,

I am deeply concerned about the safety of Mr. Ahmed Chataev, a Chechen refugee who is currently being held in a pre-trial detention centre in Uzhhorod and threatened with forcible return to Russia. He is physically disabled, because he was seriously wounded during fighting between Russian forces and Chechen separatists in 2000. He was reportedly tortured by Russian forces. He and his family then fled to Austria. Ahmed Chataev has been granted refugee status in Austria and was visiting Ukraine with a valid visa when he was detained on 3 Jauary by police in Uzhhorod on a Russian international arrest warrant.

We herein urge you not to extradite Ahmed Chataev to Russia as he is a recognized refugee entitled to international protection.

We also remind you that as a state party to the 1951 Refugee Convention and the Convention against Torture, Ukraine must not forcibly return refugees or asylum-seekers to any country where they would face a serious risk of the death penalty, torture or other grave
human rights abuses..

Thank you for your prompt attention to the above.

Sincerely Yours,



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■イベント情報

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★ 1/28 高田馬場:なぜいま『坂の上の雲』なのか 司馬史観をどう見るか

http://apc.cup.com/

  『坂の上の雲』の放映がNHKで始まった。
  来年は韓国併合から100年目に当たる。
  司馬史観の問題点を通して、『坂の上の雲』を徹底検証する。


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★ 1/29 大阪:アフガン女性の現状と闘い─マラライ・ジョヤとRAWA─

http://rawa-japan.3005.net/


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★ 1/31 青山:高岩仁監督作品上映会「資本主義は戦争を必要としている」

http://d.hatena.ne.jp/aresan/20091115

  2008年1月に亡くなった高岩仁監督。
  『「日の丸」と「君が代」』、 『教えられなかった戦争・フィリピン編』の
  上映と、石田甚太郎さんによる講演。


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★ 2/6-16 吉祥寺:燐光群公演『アイ・アム・マイ・オウン・ワイフ』

http://www.alles.or.jp/~rinkogun/Toppage.html

  「私、真実なんて、少しも怖くありませんわ」
  ベルリンの壁が崩れた後、秘密警察の監視をかいくぐって
  経営されていた、ワイマール時代からのキャバレーが見つかった。
  東ベルリン・アンダーグラウンドの生き証人マールスドルフとの、
  官能に満ちたスリリングな邂逅!


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★ 2/13 水道橋:主権者は私たち
      〜日米安保50年、憲法9条・25条、改憲手続き法を考える

http://www.annie.ne.jp/~kenpou/index.html


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■映画・連続講座

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★ 『南京・引き裂かれた記憶』

http://nanking-hikisakaretakioku.com/

間違いなく、あったことなんです──
  7人の被害者の証言と、6人の元日本兵の証言から浮かび上がる、
  「南京大虐殺」の記憶。


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★ 『ブルー・ゴールド 狙われた水の真実』

http://www.uplink.co.jp/bluegold/

  世界の人口増加により、水資源は不足しはじめている。
  石油戦争から、水戦争の時代へ──
  あなたは、ペットボトルの水を飲みますか?


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★ wam de video 2010 兵士が加害を語るとき
    〜日本・アメリカ・イスラエルからの証言

http://d.hatena.ne.jp/chechen/20091219/1261215475

  中国を侵略した元日本軍兵士、イラクから帰還したアメリカ兵、
  パレスチナ占領の実態を語るイスラエル兵が語る加害行為。
  彼らはなぜ、語り始めたのか──


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★ 連続講座:ジャーナリスト実践養成講座

http://apc.cup.com/

  マスメディア業界を目指している方、フリーで取材する方、
  ブロガーなど記事文章の上達を目指している方にお薦めの実践養成講座。
  「ジャーナリストのための実践英語入門講座」など幅広く。

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★『鶴彬 ーこころの軌跡ー』

http://tsuruakira.jp/

万歳とあげて行った手を大陸へおいて来た──
数多くの鋭い反戦川柳を詠んで戦争反対を貫き、獄中に果てた鶴彬の生涯。

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★『沈黙を破る』

http://www.cine.co.jp/chinmoku/

考えるのをやめたとき、僕は怪物になったーー
「祖国への裏切り」と非難されながらも加害行為を告白する、
若いイスラエル兵士たちがいた。

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★『チェチェンへ アレクサンドラの旅』

http://www.chechen.jp/

孫へのまなざし 平和への祈り ロシアの見たチェチェン

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★『ビリン・闘いの村』

http://www.hamsafilms.com/bilin/

  パレスチナ暫定自治区ヨルダン川西岸のビリン村。
  若者たちは非暴力の闘いに立ち上がった。

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