『アンナへの手紙』上映会 in 練馬

ドキュメンタリー映画「アンナへの手紙」

2008年 スイス ドキュメンタリー 83分
監督:エリック・バークラウト
作品提供: Refugee Film Festival (難民映画祭)
日本語字幕:日本映像翻訳アカデミー

 プーチン大統領が五四歳の誕生日を迎えた二〇〇六年一〇月七日、ロシア政府をもっとも厳しく批判し続けたジャーナリスト、アンナ・ポリトコフスカヤは、モスクワにある自宅のエレベーター内で暗殺された。娘に子どもが生まれることを喜んでいた矢先の悲劇だった。
 彼女は、一党独裁に近づくロシアの各地を歩き、格差の広がる地方の人々の声を拾い集めた。
 そして、世界から見捨てられた、チェチェン共和国への軍事侵攻の実態を暴き、弱者に常に寄り添ってきた。
 一人の女性の人生を辿りながら、ロシアの闇に切り込むドキュメンタリー。

 彼女の死から三年。
 決して忘れられてはならない人が、ここにいる。

日 時 2010年4月2日(金)19:00〜21:30(くらい?) 開場18:30
会 場 大泉学園ゆめりあホール
参加費 一般1,000円 高校生以下500円
http://www.neribun.or.jp/oizumi/
主 催 市民の声ねりま(チケット申し込み、お問い合わせは)
練馬区東大泉5-6-9 池尻成二事務所 03-5933-0108 siminnokoe[at]nifty.com

上映後、トークイベント開催!

対談

寺中 誠(アムネスティ・インターナショナル日本事務局長)
大富 亮(チェチェンニュース)



アンナ・ポリトコフスカヤ

 ロシアのジャーナリスト。1958年生まれ。1980年、国立モスクワ大学ジャーナリズム学科卒業。モスクワの新聞「ノーヴァヤ・ガゼータ」紙評論員。1999年夏以来、チェチェンに通い、戦地に暮らす市民の声を伝えてきた。「ロシアの失われた良心」と評され、その活動に対して国際的な賞が数多く贈られている。2004年、北オセチアの学校占拠事件の際、現地に向かう機上で、何者かに毒を盛られ、意識不明の重態に陥った。回復後、取材・執筆活動を再開する。2006年10月7日、モスクワ市内の自宅アパートで、凶弾に倒れた。著書に『チェチェンやめられない戦争』(NHK出版)など。

チェチェン戦争とは?

 ロシア南部に位置するチェチェンは、19世紀にロシアが併合した地域で、先住民族チェチェン人が人口のほとんどを占めている。1991年のソ連邦崩壊の際、チェチェンは独立を宣言したが、1994年、ロシア政府は武力侵攻を開始した。この戦争によって、人口100万人のうち、すでに20万人の民間人が犠牲になったと言われている。

ロシア社会の状況

 1991年にソ連邦が崩壊し、共産党による一党独裁の時代が終わり、ロシア社会は民主化に進むかに見えた。しかし、1994年の第一次チェチェン戦争を経て、軍や連邦保安局(FSB=新KGB)をはじめとする武力省庁が権力を拡大。その象徴が、1999年のプーチン大統領(FSB元長官)の就任と、第二次チェチェン戦争の泥沼だった。
 現在、チェチェンでは親ロシア派のカディロフ大統領による傀儡政権が、民間人を誘拐・違法処刑するなど、チェチェン人同士が争い合うように仕向けられ、平和への見通しは立っていない。