ウマーロフの新しいビデオ声明、イングーシ方面抵抗司令官の逮捕を確認

(リバティー、2010.7.19)

 北コーカサスの反乱司令官であるドック・ウマーロフが、新しいビデオ声明を発表した。「北コーカサスの首長」と名乗るウマーロフは、同志の野戦司令官であるスプヤン・アブドゥラーエフとともにビデオに映り、イングーシの野戦司令官アフメド・エブロエフ(アッカ・マガス)司令官が、6月に逮捕されたことを認めた。

 このビデオ声明は、3月29日のモスクワ地下鉄爆破事件の犯行声明以来はじめてのもの。この犯行声明は、その内容の真実性が疑われているところである。今回のビデオでは、ウマーロフは以前より元気そうである。

 7月16日に、イングーシの反体制派サイトhunafa.comに投稿された新しいビデオは、実は6月に撮影されたものだという。ビデオ声明の背後には野鳥の鳴き声が聞こえる。ウマーロフは、エブロエフが周囲の人間に裏切られたことを指摘し、エブロエフ自身については、「彼を愛する神によって試練を受けている」とした。その他のイングーシの戦士たちに対しては、その戦いぶりを賞賛した。

 同時にビデオに映っているアブドゥラーエフも、過去にバサーエフがエブロエフに対して下した賞賛に言及し、「マガスが逮捕されたことは大きな損失だが、損失のないジハードはないし、これによってジハードが終わるわけではまったくない」と語った。アブドゥラーエフは、イングーシ戦線での後任司令官の指名はしなかった。

 ウマーロフもアブドゥラーエフも、ビデオの中ではチェチェン語で話している。hunafa.comには、ロシア語への翻訳版を求める声が数多く投稿されたため、ロシア語の字幕が追加された。同サイトは、声明ビデオの掲載の遅れ(6月>7月)についての説明は特にない。7月7日に、このサイトには、ロシア連邦保安局(FSB)のためにエブロエフ司令官を裏切った者が、すでに処分(殺害)されたとの、イングーシ抵抗勢力による声明が掲載された。これによれば、裏切り者はティムール・アルセルゴフという名前で、2年前からイングーシの抵抗勢力に潜入し、他の戦士たちを売っていたという。

 先週、hunafa.comは、ウマーロフやkavkazceter.comと連携をとり、7月15日づけのウマーロフの一連の声明を掲載した。これは、マゴメッド・ヴァガーポフ(アッカ・セイフッラ・グッデンスキー)を、コーカサス首長国のシャリア法廷のカディ(裁判長)および、ダゲスタン戦線の司令官に任命するものだった。一方、ロシアのメディアは、ヴァガーポフが、モスクワの地下鉄での爆破犯の一人、マリアム・シャリポーヴァの夫であると報道している。

Caucasus Report
New Video Address By North Caucasus Insurgency Leader
http://tinyurl.com/2eml93b