ロシア連邦保安庁、権限をさらに拡大

 ロシア連邦保安庁(FSB)の権限の強化が、メドベージェフ政権になって、ますます進んでいる。

7月18日 毎日新聞:ロシア下院は16日、「犯罪につながるような容認できない行動」を取った個人に「警告」を与える権限をFSBに与える法案を可決した。「警告」の具体的内容には触れていない。法案にはさらに、FSBの活動を妨害した個人を拘束したり、罰金を科す項目も含まれている。上院は19日に採決する予定で、可決が有力視されている。

 ロシア国内の人権団体は、KGBが同じような権限を使って反体制派のソ連国民を弾圧した前例を取り上げ、法案が人権状況の悪化につながる恐れがあると警告する。議会内でも与党系の「公正ロシア」が下院採決で反対に回るなど、警戒論が根強い。

毎日:ロシア:情報機関に強権「KGB並み」に警戒論 大統領、再選へ布石か
http://mainichi.jp/select/world/news/20100718ddm007030110000c.html

 そして、WindowonEurasiaのポール・ゴーブルによると、旧ソ連国家保安委員会(KGB)から分離していた対外情報庁(SVR)が、今年度末にはFSBに再統合されるという消息筋の情報を掲載している。もともとSVRの分離は、エリツィン時代に情報機関の権限を抑制するために行われたものだったので、今回の動きはロシアの民主化の可能性をさらに摘み取るものになる。

Window on Eurasia: FSB to Re-Absorb SVR by End of 2010,
Moscow Journal Says
http://tinyurl.com/35p4eq5