ポリトコフスカヤ事件その後
Investigators See Progress On Politkovskaya Murder
(写真はパリでの追悼行事)
ロシア発のさえないニュース:
(10/7 モスクワタイムス アレクサンドラ・タラノーワ) ロシア検察当局は、4年前に殺害されたアンナ・ポリトコフスカヤの事件に使われた銃の密造工場についての捜査を行っていると、ロシア政府機関紙「ロシア新聞」が伝えた。しかし、ポリトコフスカヤの上司はこの報道を疑っている。
この工場の場所は公表されていないが、政府関係者が答えたところでは、モスクワ近郊の電車製造所にあり、そこでは空気銃を実銃に改造するなどの作業が行われている。
検察当局は、事件に使われた拳銃はこの工場で密造され、そのさい装着された消音器は、2004年にマフィアのボスミハイル・モンヤ・ピシチクを殺害された時と同じものだったので、同一犯が疑われるとしている。また、アンナ殺害に関与したとされる人物の一人、元警官のセルゲイ・ハシクルバーノフが、この工場に関わっていたという。
ハジクルバノフは、現在、別件で8年の刑で収監されているが、検察当局は、これらの事件についての尋問を行っている。
しかし、アンナが勤務していたノーバヤ・ガゼータ紙のドミトリー・ムラートフ編集長は、この捜査について「タイミングを逸している」として批判的だ。同氏によれば、たとえば事件の5人目の容疑者、ルスタム・マフムードフに対する捜査は、「典型的な警察のへぼ仕事」だという。マフムードフは、ロシア国内で指名手配されていたにも関わらず、2008年に国外パスポートを取得して外国に逃走した。国際手配になったのも、つい最近のことである。
ムラートフ氏は、この事件の黒幕に対する捜査は、政治的思惑のために停止されていると考えている。
アンナ・ポリトコフスカヤは、チェチェンでの人権侵害の現状と、ロシア政府の政策を強く批判するジャーナリストだった。10月6日には、国境なき記者団や、アムネスティ・インターナショナルのメンバーらが、パリで抗議行動を行った。このときの横断幕には、「ロシアで自由が殺された」と書かれている。