ChechenWatch: チェチェンに平和をアメリカ委員会(ACPC)のアッピールに対するチェチェン共和国大統領A.サドゥラーエフの声明


愛あまねく寛容なる神の御名において

尊敬する友人の皆さん。皆さんもご承知のように、チェチェン共和国(イチケリア)のアスランマスハードフ大統領は、この地上で最も平和を愛する政治家の一人でありました。

彼はあらゆる可能性をとらえて血みどろのロシア・チェチェン戦争の止めようという努力をしてきました。このことは今年2月のあらゆる攻撃的戦闘行動の停止という前例のない一方的な行為が彼の命令によって行われたと言うことでも証明されています。

マスハードフは敢えて死の危険を冒してまで、平和への自らの働きかけを積極化しようと、チェチェン国家の平原部に移動しました。彼のヨーロッパとロシアの平和に向けての努力に対して、全世界が3月8日に目撃したとおり、旧世界は唖の様な沈黙で、そしてモスクワは卑劣な殺人で答えました。

我われチェチェン人は、自らの苦しみ多き大地に希望を持てる恒久平和が訪れることを切に望んでいます。ところが、第2次チェチェン戦争が6年目を迎えようとする時、国際社会が既に数十万人のチェチェン人の生命をを奪った恐ろしいジェノサイド戦争の中にいるチェチェン人を少しでも助けようとしているとは、また血みどろの戦いを止めさせようとは望んでいるとは、我われには、見えないのです。

欧州諸国が、アスランマスハードフが提起したチェチェン側のロシア・チェチェン間の軍事的、政治的紛争の平和的解決提案に真剣に取り組まないうちは、我われの戦略目標が、クレムリンに平和について考えさせるために必要なのです。

自国民のあるいは他国民の苦しみ、血そして死といった「貧弱」な証明では、モスクワの軍国主義体制を停止させることはできないというのが、我われの強く確信するところです。

クレムリンの支配者には、チェチェン平和を実現しようという政治的なあるいは道義的な意志を持ち合わせず、チェチェン人との善隣関係を望んでもいません。それ故に、我われの短期目標は、チェチェン民族殺戮を意識的に行っているクレムリンの住人とその子分たちの「アキレス腱」を突くといういうことになるのです。しかし、我われがロシアに打撃を与えるということは、その支配者が平然と自国民を危険に晒してはいても、この国の平和な住民を標的にするということではありません。

私はチェチェン抵抗運動の指導部が、常にアスランマスハードフが策定した原則のもとロシアとの現実的な政治交渉を行う用意があるということを責任を持って言明します。しかし、今後クレムリン当局に対し平和を乞い願うということは絶対にありえません。

この際、私は国際社会がクレムリン体制が今、我が隣国であるグルジアに対して行っているテロ活動にも目を向けていただきたと思います。この主権国家に対して行っているロシアの侵略行為はコーカサス地域の安全保障をかき乱すだけでなく、全世界の安定に極めて否定的な影響を与えています。

チェチェン国民は、兄弟であるグルジア国民に対して、彼らのロシアからのテロ活動と帝国主義的野心にたいする戦いを全面的に支持を表明しています。何か事が起これば、イチケリアはグルジアの側に立って、コーカサスの精神を共有する隣人であり、兄弟である彼らへのあらゆる支援を惜しまないでしょう。

我らが自由と独立への正義の戦いに対し、全能の神のご加護のあらんことを!

全ての善意の人々への誠実な敬意と共に

アブドゥル-ハリム・サドゥラーエフ
チェチェン共和国(イチケリア)大統領
チェチェン軍最高司令官

露文: http://www.chechenpress.org/events/2005/05/15/06.shtml
英文: http://www.peaceinchechnya.org/news/20050515_Sadulaev.htm