「4月に大規模作戦を予定している」チェチェン独立派戦士がNGOに語る

(3/26 プラハ・ウォッチドッグ) 3月25日に、ロシア議員団がチェチェンの首都グロズヌイを訪問し、親ロシア派のラムザン・カディロフ大統領との会談の場で、チェチェンにおける対テロ作戦の終了が公表された。31日にもロシア連邦レベルで決定が下される見込みだ。

 ところでわれわれは、ムジャヒディーンのメンバーに電話で連絡をとり、今後の作戦予定を取材することができた。チェチェンではよく知られたフセイン・ガカーエフ司令官(28)である。コールサインは「クテイブ」。本名はアスランといい、チェチェンのヴェデノ地区出身だ。

 電話取材の冒頭で、アスランはスムーズなロシア語で会話できないことを詫びた。戦争によって十分なロシア語の教育を受けられなかったという。

プラハ・ウォッチドッグ(以下PW):ラムザン・カディロフは、チェチェン山岳部にはすでに70人以下のゲリラしかいないと言っているが、この数字についてどう思うか?
クテイブ:まったく嘘ばかりだ。われわれのゴルノ・シャリスキー方面だけでも60人のムジャヘディーンがいる。ほかにもそういう勢力がいるんだ。ラムザンとか、えせ信者や無神論者たちはそういうのをどう言いくるめるのかね。まあ神のお陰で、われわれは精強だし人数も数百人いるし、それ以外にも、戦闘に参加したがっている若い者も多い。
 こっちでは若者は戒律に忠実だよ。みんなロシアの憲法なんかより神の言葉の方が大事だってわかっているさ。われわれの憲法コーランなんだから。ラムザンなんて、いないようなものさ。プーチンやメドヴェージェフだって、どうも現実感がないな。やつらは自分たちに向かって話しているようなもんさ。

PW:ロシア議会の安全保障委員会が、「チェチェンの状況は著しく好転している」と言っている。地下の勢力は壊滅していて、当局にとってはまったく脅威でないと言うんだが?
クテイブ:アラーにかけて言うけれども、ムジャヒディーンはまったく弱っていない。繰り返すがわれわれは十分な人数がいて精強だ。今年2009年は勝利の年になるだろう。2003年から05年にかけては若者の募集が進まなかったんだが、今はすすんでやってくる。コーカサスに、アラーの他に神はないって真理を行き渡らせようとしているんだ。

PW:ロシアのグリズロフ下院議長は、経済危機が起こっているから、チェチェン駐留の連邦軍を減らすと言っている。撤兵があったら、カディロフは自分の勢力を維持できるだろうか?
クテイブ:カディロフはそもそも小物だが、ロシア軍が撤退するとなれば、やつは心臓を失うようなものだな。やつらの精神は弱い。以前はロシア人たちが掃討作戦をしていた。今はそれをカディロフ一派がやってるわけだが、実際弱いんだ。根性がないからだな。知っているか。やつら働きに行かないんだ。経済危機とやらで金が払われないから。顔を合わせればチェチェンから逃げ出す話ばっかりさ。

PW:今年が「勝利の年」になるという根拠は?
クテイブ:ここ2年間、ノジユルトや、ベデノ、シャトイの山間部の村で生活していた。そういうところでは、ムジャヒディーンはおおっぴらに活動している。いまじゃ生活だって堂々としているんだ。それまではそんなことできなかった。民衆がわれわれを理解して、支援してくれているからだ。

PW:だがカディロフはロシアを味方につけてる。資金、兵力、武器、どれをとっても君のところの千倍はある。

クテイブ:そうだな。やつにはプーチンとメドヴェージェフがいるし、軍がいる。だがもし奴らがアメリカを味方につけたって、神はこちらにいる。われわれには信仰があるし、武器もある。それは祈りだ。資金もそれなりだ。全員がドッカ・ウマーロフ(司令官)を支えている。彼は愛すべきわれわれのアミールだ。

PW: すでに春季・夏期の作戦には入っているのか?
クテイブ:3月中に、ムジャヒディーンは全員森から出てきて、村の近くで生活している。普通に車で移動しているが安全性に問題はない。4月は大規模作戦を実施する。ベデノ、グロズヌイではすでに着手している。詳細は話せない。

PW: カディロフ一派にも協力者はいるか?
クテイブ:もちろんだ。彼らの中にもこちらのアミールに連絡をとって、われわれのために働いているものがいる。主に情報提供だ。それもあって、去年はカディロフを追い詰めたこともあった。

以上。

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