メモリアルの声明
7月16日のメモリアルの声明の要点。
- ラムザン・カディロフ(親ロシア派チェチェン大統領)は現在、チェチェンでのすべての人権保護活動を阻害している。
- ロシアは国家テロ体制下にある。
- 真実を述べ、政府を批判するものは、暗殺される。
- ナターリヤ・エステミローワの死は、そのような政策の結果である。
- 北コーカサスで、10年にわたってメモリアルの活動を率いてきたナターリヤ・エステミローワを誰が殺したか、それを知らない人権活動家はいない。彼女の活動は、チェチェンで起こっている真実を伝えることであり、殺人者の目的は、その情報が外部に流れることを阻止するためだった。
- ナターリヤは、さまざまなレベルの当局者によって、常に脅迫されていた。しかし、彼女は自分の母国であるチェチェンで葬られるとは、決して考えようとしなかった。
- メモリアルのオレグ・オルロフ代表は、チェチェンのラムザン・カディロフが、エステミローワ殺害の背後にいると名指しした。彼によると:
- 「ラムザンはこれまでもずっとナターリヤを敵呼ばわりし、侮辱し、脅迫していた。彼自身が命令したのか、あるいは周囲の人間がラムザンを喜ばせるためにしたかはわからないが。メドヴェージェフ大統領も殺人者を許すだろう」という。
- ナターリヤは過去に、公共の場所で女性たちが強制的にスカーフを被らされている件について批判的に発言した際、カディロフに次のように脅迫されていた:
- 「そうだ、俺の腕は血で染まっている。恥ずかしいなんて思ったことはないぞ。悪い奴は殺してきたし、これからだってそうだ。俺たちは共和国の敵と闘っているんだからな」
- サンクトペテルブルグの人権団体、政治団体*1は、ナターリヤの死が、確実に彼女の任務に関係していると指摘する声明を出した。
- その任務とは、ナターリヤが、チェチェンでの戦争犯罪を暴き、また、女性と子どもを含む平和な市民に対して行われている弾圧を明るみに出してきたことだった。彼女は無数の誘拐と、超法規的処刑の事実を公表してきた。以下はこの声明から:
- 「われわれは、エステミローワの殺害が、ロシア政府の対チェチェン政策が完全に失敗したことの証拠だと断言する。ラムザン・カディロフの手に、すべての権限が委ねられ、ロシア憲法に保証された人権は、生存権すらも少しも保証されない」
- サンクトの声明は、この政策の変更を要求するとともに、ナターリヤ・エステミローワ殺害事件について、徹底的な捜査と、犯罪者の処罰を要求した。