論評

ザカーエフと親ロシア派の対話は北コーカサスに平和をもたらすか?

(写真)亡命中の独立派リーダー、アフメド・ザカーエフ(左)は、アブドゥラハノフ/チェチェン議会議長(右:親ロシア派)との対話を行っていることを明らかにした。(7/26 ラジオ・リバティー/リザ・フューラー記者) 7月24日に、亡命中のチェチェン独立派政府…

メモリアルの声明

7月16日のメモリアルの声明の要点。 ラムザン・カディロフ(親ロシア派チェチェン大統領)は現在、チェチェンでのすべての人権保護活動を阻害している。 ロシアは国家テロ体制下にある。 真実を述べ、政府を批判するものは、暗殺される。 ナターリヤ・エステ…

ナターシャ、私たちは忘れない

(7/15 アンドレイ・バビツキー/プラハ・ウォッチドッグへの寄稿) 今日、ナターシャ・エステミロワが殺された。事件を犯した政治的存在につい て語れば語るほど、あのかけがえのない人を襲った惨事と耐えがたい苦痛も、彼女を知る数百、数千の人々の怒りも、…

ナタリア・エステミロワの殺害についていくつかのコメント

リバティ アンドレイ・バビツキーのコメント 抄訳 ナターシャとたった一度でも会ったら 忘れられないそういうひとだ。驚くほど恐怖感というものを持たない、内的な抵抗に打ち勝って大胆に行動していたというのでなく、他の行き方はできないからそうしている…

裁判への国民参加・ロシア陪審制

ヤマダーエフ殺害事件から見えてくるもの 岡田一男(映像作家)

alarabiya.net より。スリム・ヤマダーエフ(左)とラムザン・カディロフ(右) レースカー・ラプソディーまたはドバイ・ワールドカップ競馬の陰で 日本のマスコミでも朝日新聞が、4月17日に大きくページを割いて報道したが、ロシアのマスコミでは、3月末以…

「チェチェン戦争」という名のクーデター

チェチェン民族学序説―その倫理、規範、文化、宗教=ウェズデンゲル作者: ムサーアフマードフ,今西昌幸出版社/メーカー: 高文研発売日: 2009/02/01メディア: 単行本 クリック: 9回この商品を含むブログ (5件) を見る「チェチェン民族学序説−その倫理、規範、…

2/20 ラジオ・リバティ記事より

2ヶ月半にわたって、検察側はアンナ・ポリトコフスカヤ殺害について、法廷の陪審員とジャーナリストを説得しようとしてきた。それは、ジャブライルとイブラギム・マフムードフの兄弟が殺害に関わったということだった。 マフムードフ兄弟は、組織犯罪取締局…

イフ・カンプーー奴らの帝国

このテキストは子どもたちには見せないでほしい。これは、ノーヴァヤ・ガゼータの記者、スターシア・バブーロワと弁護士スタニスラフ・マルケーロフの殺害に対する、ファシストたちの反応だ。 ロシアにはファシズムが存在している。 これはもう地下活動など…

ナースチャ・バブーロワのこと

(ノーヴァヤ・ガゼータ1/23) 1月19日、モスクワ市立第一病院。外科救命第24部。夜7時。二人の捜査官が入り口で見張っていて、頑としてだれも通そうとしない。そのうちの一人がうっかり漏らしたところによると、見張りがつくようになったのは、今日にな…

スタニスラフ・マルケーロフ:自分が守っているのはロシアの法だ。ブダーノフを正当化するなら、チェチェンを独立国家と認めることになる。

マルケーロフ弁護士の未掲載インタビュー スタニスラフ・マルケーロフがチェチェンから2002年の6月始めに戻ってきたときにとったインタビューを初めて掲載する。 そのときスタース(スタニスラフの愛称)はブダーノフ陸軍大佐を18歳のエリザ・クンガ…

ブダーノフの後継者たち

アンドレイ・バビーツキー(プラハ・ウォッチドッグへの特別寄稿) スケープゴートにされた大佐 ロシアの政府や裁判所がブダーノフ大佐を早期釈放した動機は法的に疑問であり、道徳的にも筋が通っていないことが明らかである。ロシアに住む普通の人びとが、…

アナスターシア・バブーロワによる、スタニスラフ・マルケーロフへのインタビュー

「人間は国家に対して守られるべきだ」 このインタビューは、バブーロワがスタニスラフ・マルケーロフから1月5日にとったもの。そのテーマは下院のスキャンダラスな決定にあった。スパイ事件、テロ事件、大衆騒乱を起こすなどという、陪審裁判になるべき事…

「私たちは怖れていない」 ノーヴァヤ・ガゼータ紙のコラムより

殺人犯は、ノーヴァヤ・ガゼータのジャーナリスト、アナスターシア・バブーロワと、弁護士のスタニスラフ・マルケーロフの頭を後ろから撃った。彼が何かを怖れる理由はない。政治的な暗殺事件が裁判にかけられたことなどないからだ。 スタニスラフ・マルケー…

No.273 マルケーロフ暗殺についての緊急声明

【転送/転載歓迎】報道が少ないので、ご存知ない方も多いと思うのですが、モスクワでまた暗殺事件がありました。これについての情報と、チェチェン関係者の意見をまとめた声明文を発行しますので、ぜひ賛同をお願いします。宛先はロシア政府で、大使館あて…

さよなら、マゴメッド!

2008.09.01 プラハ・ウォッチドッグ/アンドレイ・バビツキ―寄稿【記事について】 イングーシで殺害された反体制派ウェブサイトの主催者、マゴメッド・エブロエフ氏にあてられた、ラジオ・リバティーのバビツキーによる追悼文です。ポリトコフスカヤなきあと…

“ロシアでジャーナリストになることは自殺である”

「ロシアは記者になるのが世界でもっとも危険な地域のひとつです。アンナ・ポリトコフスカヤ殺害の裁判が続いているなか、リューク・ハーディングがひとりのエディターの命をかけた戦いをリポートしました。」今回はこのガーディアンの記事を和訳します。ロ…

なぜプーチンはロシアで人気が高いのか

稲垣 收(フリー・ジャーナリスト) なぜプーチンはロシアで人気が高いのか(1) ―石油バブルでウハウハ?の資源大国ロシア 最近、友人から質問を受けました。 「プーチン大統領のロシアでの支持率は8割、プーチン政権下でロシアの経済は花盛り、ロシア国民に…

カスパロフが語る、「今年の人」プーチン

[もう一つのロシア 12/19] 原文: http://www.theotherrussia.org/2007/12/19/kasparov-on-the-time-person-of-the-year-award-for-vladimir-putin/ 米タイム誌は、2007年の「今年の人」にウラジーミル・プーチンを選出した。「もう一つのロシア」による反体…

候補者なき大統領選挙

[もう一つのロシア 12/15] 原文: http://www.theotherrussia.org/2007/12/15/an-election-without-candidates/ 著名な作家であり人権活動家でもあるウラジーミル・ブコフスキーは、大統領選挙への出馬が危うくなっている。ソ連の反体制派活動家は、「発起人…

統計学から見たロシア偽装選挙

[もう一つのロシア 12/15] 原文: http://www.theotherrussia.org/2007/12/15/statistical-evidence-of-russian-poll-fraud/ 12月2日に実施されたロシアの下院選では、ウラジーミル・プーチン率いる「統一ロシア」の勝利のために、ロシア全土で脅迫と偽装が…

ロシアの圧制に対する私たちの闘い

ガルリ・カスパロフ 2007年12月1日 原文: http://www.theotherrussia.org/2007/12/01/kasparov-on-jail-and-elections-in-the-wall-street-journal/ もう何年もの間、欧米諸国の政府は、ウラジーミル・プーチンのロシアを自分たちと対等な存在として受け入…

チェックメイト?カスパロフ、大統領候補から脱落

[もう一つのロシア 12/14] 原文: http://www.theotherrussia.org/2007/12/14/blocked-in-all-directions-kasparov-drops-presidential-bid/ 中央選挙委員会(CEC)は、ガルリ・カスパロフを3月の大統領選挙から排除した。カスパロフの属する政党「統一市民戦…

反体制派を暗殺せよ

[もう一つのロシア 12/9] 原文: http://www.theotherrussia.org/2007/12/09/to-murder-a-dissident/ 元FSB 将校ミハイル・トレパシキンは、FSBの元同僚が三度にわたって彼をアレクサンドル・リトビネンコを暗殺するための「国家作戦」に誘ったことを明らか…

プーチンは本当に「国民的指導者」なのか?

[もう一つのロシア 12/5] 原文: http://www.theotherrussia.org/2007/12/05/russians-skeptical-about-%e2%80%98national-leader%e2%80%99/ ウラジーミル・プーチンにロシアの「国民的指導者」としての地位を認めるロシア人は、たった17%にすぎない。独立…

「翼賛」への構図−'07年ロシア下院選(下)

2007年11月27日 東京新聞 ロシアのテレビ局報道長が、その日放映する選挙番組を入念にチェックしていた。部下が「その番組はもうクレムリンでチェックを受けたじゃないですか」と言うと、局長はこう答えた。 「クレムリンのチェックし切れなかったまずい部分…

「翼賛」への構図−'07年ロシア下院選(中)

2007年11月26日 東京新聞 モスクワ中心部で二十四日に行われた野党連合「もう一つのロシア」の反プーチン政権行動。若者が「プーチンなしのロシアを」と叫ぶと、内務省特殊部隊や私服の治安関係者がどっと襲い掛かり、両手両足を抱え、警察車両に連行した。…

「翼賛」への構図−'07ロシア下院選(上)

2007年11月25日 東京新聞 ロシアではいま、「1612年」という映画がヒットしている。 イワン雷帝の死後、リューリク朝が崩壊し、ドイツやポーランドに侵略された十七世紀初頭のロシアが舞台だ。ある一人の英雄が登場し、外国勢力を打ち破り、ロシアに安定をも…

コムソモール復活?“プーチン親衛隊”「ナーシ」台頭

10月30日の産経新聞の記事より。 http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20071030-00000077-san-int 反政権派を駆逐/暴力行為に懸念 【モスクワ=遠藤良介】12月初頭の議会選と来春の大統領選を控えるロシアで、プーチン大統領を崇拝する“プーチン親衛隊”と…

司法改革の行方

2007年10月24日 ラジオ・リバティ クレール・ビッグ ロシア大統領ウラジーミル・プーチンは、ロシア最高裁判所のヴャチェスラフ・レベジェフ長官をクレムリンに招いて、10月初旬にテレビ会見を行った。 プーチンとレベジェフは、基本的な法的権利と人権が侵…