チェチェンの人権活動家夫妻、自動車のトランクで遺体となって発見

(AP JIM HEINTZ 8/11) 8月11日、行方不明になっていたチェチェン人の人権活動家夫婦が、所有する自動車のトランクの中で、遺体となって発見された。銃弾による傷跡があった。

 ザレーマ・サドゥラーエワと、夫のアリク・ジャブライロフは、所属する団体「セーブ・ジェネレーション」の事務所から10日に誘拐された。同じく人権活動家のナターリヤ・エステミロワが誘拐/殺害されてから、1月と経っていない。

 人権活動家らは、チェチェンラムザン・カディロフ大統領(親ロシア派)が、誘拐や拷問、非合法処刑を繰り返していると批判してきた。また、7月15日に起こった、エステミロワ殺害事件についても、同大統領が背後にいると主張している。カディロフ側はこれを否定しているが。

 カディロフは、「これは社会に対する挑戦だ。チェチェンのすべての人々を脅迫しているんだ」として、(自分以外の)犯人を非難している。
 チェチェンの首都グロズヌイで活動しているある活動家によると、事件当時サドゥラーエワさんのボディーガードをしていた人物は、誘拐が5人の男たちによって行われたと証言している。うち3人は軍服を着ており、あとは私服だった。犯人たちは被害者二人を事務所から連れ去った後、二人の携帯電話を取りに、また事務所にやってきたという。ケダ・サラトーワによれば、このボディーガードは現在、チェチェン人権オンブズマンの保護下にある。

 被害者二人は、頭部と胸を銃撃され、二人の所有する自動車のトランクに詰め込まれた状態で、グロズヌイ近郊で発見された。

 サドゥラーエワさんの所属する組織は、ここ15年続く戦争で負傷した子どもたちへの支援を行っていた。ジャブライロフさんとの結婚は、たった数ヶ月前のことで、彼がチェチェン独立派の一員だと疑われて拘束された後だったという。

 チェチェン独立派は、1991年以来、二度にわたってロシア軍と戦ったが、ここ数年は親ロシア派のカディロフがこの地域を支配している。

 反カディロフ派は、カディロフがチェチェンを恐怖政治によって支配していると批判する。そして、ロシア政府はこれを後押ししている。

チェチェンで誘拐される人の数は、今年に入って大幅に増加しています。本当に、破局的な状況です」と、人権団体「デモス」ワーリャ・パホメンコは言う。

 人権団体「メモリアル」を率いていたエステミロワの場合、遺体はグロズヌイから離れたイングーシの道路脇に捨てられているのが発見された。彼女はカディロフ政府による人権侵害についての調査を行っていた。

 カディロフは、エステミロワ殺害事件には一切関与していないと言っている。しかし、つい最近のラジオ・リバティーでのインタビューで、公然と彼女について「なんの名誉も、尊厳も、良心のかけらもない奴だった」と非難した。

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