#303 人権活動家の夫妻、銃殺遺体で発見
* チェチェンの人権活動家夫妻、自動車のトランクで遺体となって発見
* イベント情報
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■チェチェンの人権活動家夫妻、自動車のトランクで遺体となって発見
(殺害されたザレーマ・サドゥラーエワさん)
先月のエステミロワ殺害事件に続いて、また、チェチェン人の人権活動家が殺害された。微妙に変な見出しだが、日経新聞では次のような記事になった。
チェチェンで人権活動家殺害 武装勢力、7月に続き
http://tinyurl.com/lp2ovm
犯人は、ナターリヤ・エステミローワを殺害したのと同じく、ラムザン・カディロフと思われる。しかし「武装勢力」というのは、主にチェチェン独立派に対してメディアがつけてきた呼び名だ。
それはさておいても、チェチェンで、白昼堂々こういう事件を起こせるのはカディロフしかおらず、また、独立派にとっては彼女のような人間を殺す理由がない。
チェチェン人が電話をかけるとき、かならずカディロフを褒めるのだという。万一悪口を盗聴されたら、家に火をつけられたり、殺されたりするからだ。チェチェンに帰って来い。もう戦争は終わったぞ、と。
前号の記事で知らせたとおり、独立派のザカーエフ首相は、カディロフと手を組むことに決めた。どんな事情が背景にあったとしても、彼は道を誤った。明日は、そのザカーエフと親ロシア派の間での、3度目の協議と記者会見がロンドンで行われる予定。そして次の記事は、APより。(大富亮)
(AP JIM HEINTZ 8/11)
8月11日、前日から行方不明になっていたチェチェン人の人権活動家夫婦が、所有する自動車のトランクの中で、遺体となって発見された。頭と胸に、銃弾による傷跡があった。
ザレーマ・サドゥラーエワと、夫のアリク・ジャブライロフは、所属する団体「セーブ・ジェネレーション」の事務所から10日に誘拐された。同じく人権活動家のナターリヤ・エステミロワが誘拐/殺害されてから、1月と経っていない。
人権活動家らは、チェチェンのラムザン・カディロフ大統領(親ロシア派)が、誘拐や拷問、非合法処刑を繰り返していると批判してきた。また、7月15日に起こった、エステミロワ殺害事件についても、同大統領が背後にいると主張している。カディロフ側はこれを否定しているが。
カディロフは、「これは社会に対する挑戦だ。チェチェンのすべての人々を脅迫しているんだ」として、(自分以外の)犯人を非難している。
チェチェンの首都グロズヌイで活動しているある活動家によると、事件当時サドゥラーエワさんのボディーガードをしていた人物は、誘拐が5人の男たちによって行われたと証言している。うち3人は軍服を着ており、あとは私服だった。犯人たちは被害者二人を事務所から連れ去った後、二人の携帯電話を取りに、また事務所にやってきたという。
被害者は、所有する自動車のトランクに詰め込まれた状態で、グロズヌイ近郊で発見された。サドゥラーエワさんの所属する組織は、ここ15年続く戦争で負傷した子どもたちへの支援を行っていた。ジャブライロフさんとの結婚は、たった数ヶ月前のことで、彼がチェチェン独立派の一員だと疑われて拘束された後だったという。
チェチェン独立派は、1991年以来、二度にわたってロシア軍と戦ったが、ここ数年は親ロシア派のカディロフがこの地域を支配している。反カディロフ派は、カディロフがチェチェンを恐怖政治によって支配していると批判する。そして、ロシア政府はこれを後押ししている。
「チェチェンで誘拐される人の数は、今年に入って大幅に増加しています。本当に、破局的な状況です」と、人権団体「デモス」ワーリャ・パホメンコは言う。
人権団体「メモリアル」を率いていたエステミロワの場合、遺体はグロズヌイから離れたイングーシの道路脇に捨てられているのが発見された。彼女はカディロフ政府による人権侵害についての調査を行っていた。
カディロフは、エステミロワ殺害事件には一切関与していないと言っている。しかし、つい最近のラジオ・リバティーでのインタビューで、公然と彼女について「なんの名誉も、尊厳も、良心のかけらもない奴だった」と非難した。
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■イベント情報
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8/12 御茶ノ水:スリランカ現地報告会(非暴力平和隊)
日本はスリランカへの最大のODA援助国。
現地視察報告を聞きながら、スリランカへの支援のありかた、
本当の平和にむけてのかかわり方について、一緒に考えてみませんか?
http://d.hatena.ne.jp/chechen/20090809/1249814869
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8/12-15 渋谷: 兵士が証言する戦争
書籍「冬の兵士」出版記念上映会&トークショー
反戦イラク帰還兵の会(IVAW)がワシントンで戦争の証言を行う
集会「冬の兵士」を開き、米軍の即時撤退を訴えた。
岩波書店からの『冬の兵士 イラク・アフガン帰還米兵が語る戦場の真実』
の出版を記念して。
http://d.hatena.ne.jp/chechen/20090809/1249781423
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8/14 文京:ヘイトスピーチは許せない!『行動する保守!?』にどう向き合うか
『行動する保守』を自称し、ヘイトスピーチをまき散らす人々。
彼らの言動が、私たちの社会に根ぶかく続いている排外主義の戯画なら、
この動きに正面から向き合うことが今こそ求められている。
排外主義を封じ込めるため、これから何をするべきなのか。
http://livingtogether.blog91.fc2.com/blog-entry-1.html
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8/24-30 銀座:涼風情×二人展
フィリピン・ミンダナオ島の先住民の「ティナラク織り」展覧会。
「夢を織る」。
http://www.gallerys.jp/town/tokyo/rengagarou/now.html
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8/27 文京:相次ぐオピニオン誌の休刊と雑誌『世界』の64年
総合雑誌の休刊が相次いでいる。
岩波書店社長の山口昭男氏をゲストに、雑誌『世界』の64年を振り返り、
総合雑誌の新しい役割について語る。
http://apc.cup.com/apc200908.pdf
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10/3 明治公園:NO NUKES FESTA 2009 -放射能を出さないエネルギーへ-
エネルギー政策の転換に向けて、全国から集まろう!
http://www.nonukesfesta2009.com/
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10/4 大井町:★Bee's Cafe - Vol.1 六ヶ所から見つめる未来-★
六ヶ所村核燃料再処理工場、アクティブ試験開始から3年。
わたしたちに見えたものは何なのか? わたしたちにできることは何なのか?
ミツバチたちのように集まろう!語ろう!「ワールド・カフェ」的交流会
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■映画・連続講座
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『鶴彬 ーこころの軌跡ー』
万歳とあげて行った手を大陸へおいて来た──
数多くの鋭い反戦川柳を詠んで戦争反対を貫き、
獄中に果てた鶴彬の生涯。
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『沈黙を破る』
考えるのをやめたとき、僕は怪物になったーー
2002年、イスラエル軍がヨルダン川西岸に侵攻。
その頃、「祖国への裏切り」と非難されながらも、
みずからの加害行為を告白する、若いイスラエル兵士たちがいた。
土井敏邦氏が13年間にわたって撮りつづけたシリーズ第四作。
http://www.cine.co.jp/chinmoku/
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『チェチェンへ アレクサンドラの旅』
孫へのまなざし 平和への祈り ロシアの見たチェチェン
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『ビリン・闘いの村』
パレスチナ暫定自治区、ヨルダン川西岸のビリン村。
若者たちは非暴力の闘いに立ち上がった。
http://www.hamsafilms.com/bilin/
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