#305 声明のご報告、その他のニュース

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* 人権活動家殺害抗議声明についてのご報告

*「チェチェンでは人権が破滅的な危機に瀕している」社会団体「自由カフカス」在日代表声明

* メモリアル、チェチェンでの活動を停止

* エステミロワの殺害犯は未だ検挙されず、証言を恐れる目撃者たち

*「チェチェンでまた自爆テロ 警官4人死亡」産経新聞より

* イベント情報

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■人権活動家殺害抗議声明についてのご報告

 8月14日にチェチェン連絡会議が発行した声明、「チェチェン人人権活動家の連続殺害事件について」に、多くの方からご賛同をいただきました。この場を借りてお礼申し上げます。(
http://d.hatena.ne.jp/chechen/20090814/1250228020 )

 声明文は報道各社およびロシア大使館、外務省ロシア課に送付しました。

 数日の間に、100人を超える方々から賛同の署名をいただきました。メッセージも多数いただいていますので、次のサイトに掲載しております。ぜひご一読ください。( http://d.hatena.ne.jp/chechen/20090812/1250258885 )

 また、声明の英語版もできました。(Special Thanks to Ms Chelsea Watson)海外のご友人にも、ぜひご紹介ください。

英語版声明文:
”Peace and Human Rights for Chechnya!”Statement of the Japanese People Regarding the Killing of Chechen Human Rights Defenders

http://d.hatena.ne.jp/chechen/20090818/1250592389

 今後も、チェチェン問題に関心をお持ちいただければ幸いです。ありがとうございました。

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■「チェチェンでは人権が破滅的な危機に瀕している」
          社会団体「自由カフカス」在日代表声明


 最近チェチェンでは、人権擁護団体および人道支援団体のメンバーに対する襲撃事件が相次いでいます。これらの人々は、ロシアとチェチェンとの戦争の時期を通じて、チェチェン市民の権利を守るために自己犠牲的な活動を続けてきました。2009年7月15日には、国際的にも著名な人権活動家であるナターリア・エステミーロワが、正体不明の集団に誘拐され、その後殺されました。

 そして早くも8月11日には、NGO「若者を救おう」の代表者として、チェチェンでの戦闘によって傷ついた若者たちや障害を持った子どもたちを支援していたザレーマ・サドゥラーエワが、犯罪者たちの犠牲となりました。ザレーマ・サドゥロワとともに、彼女と活動を共にしていた夫の、アリク・ジャブライロフも殺害されました。

 こうした非人間的な犯罪が示しているのは、チェチェンでは人権が破滅的な危機に瀕している、ということであり、その原因となっているのはロシアの占領勢力と、カディロフ一派に代表される占領勢力への、協力者たちの活動です。

 私は、社会団体「自由カフカス」を代表して、これらの犯罪に断固として抗議すると共に、あらゆる手段でチェチェンでの人権侵害に関する正しい情報を遮断しようとしているロシアの特殊部隊を、これらの犯罪の実行犯として非難するものです。

社会団体「自由カフカス」在日代表 A
2009.08.16  


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■メモリアル、チェチェンでの活動を停止

 (日付不明。たぶん7月下旬のニュースです。ラジオ・リバティーより)

 ロシアの人権擁護団体「メモリアル」の代表者は、チェチェン支部での活動を見合わせると発表した。これはチェチェンで著名な活動家、ナタリヤ・エステミロヴァさんが誘拐殺人されてから決定されたものだ。

「メモリアル」のアレクサンドル・チェルカソフ代表は、RFE/RLタジク・サービスのインタビューで、「我々はチェチェンでの活動を中止し、今後の活動をどう行うか決める予定だ」と述べた。

全文: http://d.hatena.ne.jp/chechen/20090824/1251211001 (訳:T)


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エステミロワの殺害犯は未だ検挙されず、証言を恐れる目撃者たち

 (8/21 コーカサス・ノットより)

「メモリアル」で働いていたナターシャ・エステミロワの誘拐・殺害から1ヶ月以上経ったが、捜査陣はいまだに犯罪の容疑者に関する手がかりを得ていない。また、目撃者は今回の事件に関し証言する事を恐れている。

 彼女が殺害される日、彼女はICPO国際刑事警察機構)の幹部と会い、この問題について話し合うはずだった。「なぜこのいきさつが、捜査では考慮されないの?」と、エステミロワの友人の一人はそのように訊いた。この女性はまた、最近のザレーマ・サドゥラエワとアリク・ジャブライロフの誘拐・殺害に関しても、エステミロワの事件と同様、当局の捜査では容疑者も被告も見つかっていない事を指摘した。

全文: http://d.hatena.ne.jp/chechen/20090823/1251034382 (訳:K)


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チェチェンでまた自爆テロ 警官4人死亡

 急速に治安が悪化するチェチェン。ザカーエフが親ロシア派との関係を深めていること、穏健な人権活動家たちさえ残虐に殺害されているという現状が、こうした治安の悪化に一役買っているのではないだろうか。

 この二つの要因を煎じ詰めると、こうなると思う:

 民主的に選挙された指導者が殺害されること(2005年のマスハドフ暗殺)、その指導者が生前に指名した腹心の部下が、かつての敵の軍門に下ること(ザカーエフの妥協:現在進行中)。

 独立といった政治的主張ではなく、「人権擁護」に限って主張していた人物さえ、抹殺されていること、つまり表現の自由が存在しないチェチェン国内の状況。

 こうした要因が重なって、多くのチェチェン人が絶望的になっている可能性が高い。すると抵抗は平和的な形ではなく、次のような形式をとらざるを得なくなる。以下、産経新聞より。

 国営ロシア通信によると、ロシア南部チェチェン共和国の首都グロズヌイ郊外で25日、自爆テロがあり、警官4人が死亡、1人が重傷を負った。同共和国では21日にも連続自爆テロで警官4人が死亡したほか、7月以降に人権活動家3人が相次いで拉致・殺害されており、治安が急速に悪化している。

http://sankei.jp.msn.com/world/europe/090825/erp0908252007004-n1.htm

 そうだとすれば、事態を改善するために打つべき方法はある程度明らかなはず。

 チェチェン人の政治的な権利を保証し、対等の立場で交渉すること。人々の基本的人権を保証すること。そうすれば、ロシア側にとってはチェチェンを独立させずに済むかもしれず、悪い話ではないのだが、これまで「テロリストと交渉はしない」と言ってきたいきさつ上、切り替えがむずかしい。要するに大国のエゴである。(大富亮)


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■イベント情報

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8/24-30 銀座:涼風情×二人展

  フィリピン・ミンダナオ島の先住民の「ティナラク織り」展覧会。
  「夢を織る」。

http://www.gallerys.jp/town/tokyo/rengagarou/now.html


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8/27 文京:相次ぐオピニオン誌の休刊と雑誌『世界』の64年

  総合雑誌の休刊が相次いでいる。
  岩波書店社長の山口昭男氏をゲストに、雑誌『世界』の64年を振り返り、
  総合雑誌の新しい役割について語る。

http://apc.cup.com/apc200908.pdf


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8/30 中目黒:Jumma World Voice

  日本に住むジュマの人たちのグループ「Jumma World Voice」が、
  チッタゴン丘陵に関心のある人たちを招いて開くディスカッション。
  どなたでも参加OKで、参加費は無料です。

http://d.hatena.ne.jp/chechen/20090813/1250148149


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9/2,3 蒲田:読み語り「八月の蒼い空」

  幼い瞳に映ったあの日の空も蒼く澄んでいた・・・
  それぞれの平和への思い、不戦の願いを届けたい。
  野坂昭如作「戦争童話集」などから。

http://d.hatena.ne.jp/chechen/20090815/1250824018


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9/17 広尾:バングラデシュチッタゴン丘陵地帯の平和を求めて
                  〜先住民族リーダーから学ぶこと〜

  世界から注目されることのない、日の当たらない紛争地。
  この秋、バングラデシュチッタゴン丘陵地帯の平和を求めて
  闘っている先住民族リーダーが来日する。

http://tinyurl.com/kpomgw


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10/3 水道橋:広瀬隆講演会「二酸化炭素温暖化説はなぜ崩壊したか」

http://d.hatena.ne.jp/chechen/20090820


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10/3 明治公園:NO NUKES FESTA 2009 -放射能を出さないエネルギーへ-

エネルギー政策の転換に向けて、全国から集まろう!

http://www.nonukesfesta2009.com/


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10/4 大井町:★Bee's Cafe - Vol.1 六ヶ所から見つめる未来-★

  六ヶ所村核燃料再処理工場、アクティブ試験開始から3年。
  わたしたちに見えたものは何なのか? わたしたちにできることは何なのか?
  ミツバチたちのように集まろう!語ろう!「ワールド・カフェ」的交流会

http://bees-cafe.jugem.jp/


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10/8 茗荷谷:オスロ・プロセスは「成功」なのか?
     再考・クラスター弾禁止条約〜徹底討論!林明仁VS.福田毅〜

http://aacs.blog44.fc2.com/blog-entry-31.html


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11/20 文京:アンナ・ポリトコフスカヤ暗殺3周年・追悼特別上映会
      「アンナへの手紙」

http://d.hatena.ne.jp/chechen/20090821



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■映画・連続講座

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『鶴彬 ーこころの軌跡ー』

  万歳とあげて行った手を大陸へおいて来た──
  数多くの鋭い反戦川柳を詠んで戦争反対を貫き、
  獄中に果てた鶴彬の生涯。

http://tsuruakira.jp/


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『沈黙を破る』

考えるのをやめたとき、僕は怪物になったーー
2002年、イスラエル軍ヨルダン川西岸に侵攻。
その頃、「祖国への裏切り」と非難されながらも、
みずからの加害行為を告白する、若いイスラエル兵士たちがいた。
土井敏邦氏が13年間にわたって撮りつづけたシリーズ第四作。

http://www.cine.co.jp/chinmoku/


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チェチェンへ アレクサンドラの旅』

孫へのまなざし 平和への祈り ロシアの見たチェチェン

http://www.chechen.jp/


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 『ビリン・闘いの村』

パレスチナ暫定自治区ヨルダン川西岸のビリン村。
若者たちは非暴力の闘いに立ち上がった。

http://www.hamsafilms.com/bilin/


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