#315 「ロシアへの愛がなければ」
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* 「ロシアへの愛がなければ」──ポリトコフスカヤ追悼映画上映会に向けて
* イベント情報
11月20日の『アンナへの手紙』上映会に関わってくださっている、村山敦子さんから、熱いメッセージが届きました。どうぞご一読ください。
当日の資料には、こうした、皆さまからお寄せいただいたメッセージを掲載したいと思っています。ぜひ editor@chechennews.org までお寄せください。
さて、今週末のおすすめイベントの紹介をします。直前で申し訳ないのですが、明日7日、大崎では「ミニシンポジウム『グルジア 映画・文化・歴史』」が開かれます。グルジア映画『落葉』を見ることができます(しかも無料)。
また、新宿では「音づくりパフォーマンス〜だるま森のがっきやさん」が催されます。パレスチナにもチェチェンにも心を寄せる「総合工作芸術家」だるま森さんのステージです。「チェチェンニュース読者です」と受付で言えば、これも無料で観覧できるそうです。ぜひ足をお運びください。
詳しくは下のイベント情報欄をご覧ください。
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■「ロシアへの愛がなければ」──ポリトコフスカヤ追悼映画上映会に向けて
(村山敦子/翻訳者、追悼上映会実行委員)
10月2日に行われたアンナ・ポリトコフスカヤ暗殺追悼三周年集会後の夕食会の席で、I新聞社の記者さんから洩れた言葉、「ロシアへの愛がなければチェチェンに関心を持つこともないのではないか」を聞いて、確かにそうかもしれない、と思ったのでした。
それはこの国でチェチェンの運命に関心を寄せる人があまりに少ない理由でもあるのでしょう。
そもそもロシアのことを知っている人、ロシアに関心を寄せる人がすくないのですから、そのロシア連邦に虐げられている小国チェチェンのことなどどうでもいい、という人がほとんどなのが、残念ながら日本の現状ではないでしょうか。
しかし、数少ないロシア文化を愛する人に、例えばずっとロシアの唄を原語で歌い続ける石橋幸さんがいます。それも、「アウトカーストソング」と銘打つだけあって、登場するのは孤児や盗賊、ふられた女、ジプシー、亡命者、などなど。
10月6日に紀伊国屋ホールで行われたコンサートの最後に「友への祈り(Молись кунак...)」という歌を聴きました。
この歌にはチェチェンのチの字も出てこないし、作曲は帝政時代の亡命ロシア人ヴェルルチンスキーのはずなのに、この歌詞は、異郷にあるチェチェン人に向けて歌っているとしか思えない。一緒に行った友だちと、終わってから思わず顔を見合わせてしまいました。
しかも、聞き慣れないこの「кунак(クナーク)」という言葉が気になり、帰ってから露和辞典を引いてみたら、「盟友」とあり、カフカスの山地民の間で助け合い、親交の誓いをたてた間柄のことと、書かれているではありませんか。
ますます、です。これが15年ぶりに出したという、石橋さんのCDのタイトルにもなっています。
その石橋さんにお便りしたら、11月20日に文京シビック小ホールで開くアンナ・ポリトコフスカヤ追悼映画上映会『アンナへの手紙』にも、CDを持ってきてくださるとのことでした。
11月20日は、あの300人のホールを、ロシアを愛し、北コーカサスにこころを寄せるひとびとで埋めつくしたいと思っています。
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●「友への祈り(Молись кунак...)」
祈っていておくれ、友よ
祈っていておくれ、友よ、異郷の地で、
祈っていておくれ、友よ、故国の外で、
祈っていておくれ、愛しき者のために、
神様がかれらを守ってくださるように。
ぼくらは、肉親を、故国を
今は奪われているけれども、
ぼくらは信じている、ときが訪れて、
陽の光がぼくらのために輝くことを。
祈っていておくれ、友よ、神様がぼくらに
全てに打ち克つ力を授けてくださるように、
ぼくらがふたたび故国の地で
愛と平和に出合えますように。
作者不詳
(ロシア語歌詞: http://d.hatena.ne.jp/chechen/20091106/1257517812 )
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■イベント情報
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★11/20 文京:アンナ暗殺3周年・追悼特別上映会「アンナへの手紙」
http://d.hatena.ne.jp/chechen/20090821
チェチェンを追いかけたジャーナリスト、
アンナ・ポリトコフスカヤアンナの死をめぐるドキュメンタリー。
彼女を知る人々がつづる「手紙」。
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★10/24-11/8 全国:アムネスティスピーキングツアー「奪われた人生」
グアンタナモ収容所の真実を語る
http://d.hatena.ne.jp/chechen/20090905/1252121385
無実の罪でキューバのグアンタナモ収容所に収容されていた
ムラット・クルナズさんが初来日し、自らの体験を語る。
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★11/3-15 明大前:写真展/トークイベント「世界187の顔」〜生命の現場から〜
http://www.jvja.net/The%20Face%20187.htm
今という時代を、この地球に生きる人々の顔を見つめなおしてみる。
気候変動も、戦争も、自然災害も、すべては私たちの毎日に関わっている。
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★11/7 大崎:ミニシンポジウム「グルジア 映画・文化・歴史」
http://d.hatena.ne.jp/chechen/20091014/1255476488
グルジアより来日した歴史研究者Bondo Kupatadze氏を迎え、
映画とレクチャーを通じてグルジアの魅力に迫る。
オタル・イオセリアニ監督の『落葉』の上映も。
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★11/7 新宿:音づくりパフォーマンス〜だるま森のがっきやさん
http://www7b.biglobe.ne.jp/~dalma/news.html
総合工作芸術家だるま森による、すべてがオリジナル・手作りの舞台芸術。
次々訪ねてくる森の小さなお友だちとだるま森がその場で創り出す
おもしろ楽器や驚きと不思議いっぱいのパフォーマンスライブ。
「チェチェンニュースの読者です」と受付で申告すると無料!
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★11/20 池袋:シンポジウム 新疆ウイグルとチベットでの騒乱をどう見るのか
反革命暴動なのか、民族自決を唱えた抵抗闘争なのか。
新疆ウイグル自治区とチベット自治区で続く少数民族と中央政府との対立。
宗教、海外の干渉、報道、資源、社会主義体制への反発を多角的に検証する。
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★11/29 四谷:反戦と抵抗の祭〈フェスタ〉09
誰かを殺して 成り立つ世界 誰かを支配することで 保たれる社会
そんな生活はイヤだ! 智恵を絞って 「抵抗を発明」しましょう
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★12/5 蒲田:「終焉に向かう原子力」(第9回)
http://d.hatena.ne.jp/chechen/20091028
小出裕章氏(京大原子炉実験所)「原子力の場から視た地球温暖化問題」
藤田祐幸氏(物理学者)「電源としての原子力と軍事としての原子力」
広瀬隆氏(作家)「いよいよ迫る東海大地震と浜岡原発」
力を合わせて、危険な原子力の時代を終わらせよう。
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★12/5-14 都内:東アジア死刑廃止大会2009
http://www.abolish-dp.jca.apc.org/asia/front.html
もし裁判員に選ばれたなら、あなたは死刑判決を下せますか。
今、立ち止まって、考えてみませんか。死刑囚という人生を。
そして、私たちの暮らす、この社会のことを。
日本や韓国など東アジア各国から、作家や研究者、宗教者、NGOが集います。
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★12/5 大崎:公開シンポジウム「ヨーロッパとアジアのエネルギー安全保障」
http://d.hatena.ne.jp/chechen/20091104/1257297629
藤岡明房(立正大学経済学部教授)「世界と日本のエネルギー事情」
世界第4位の石油企業トタルの日本法人社長の講演、
「世界におけるトタルの活動と今後のエネルギー需要の動向」など。
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★12/6 猿楽町:〈危機〉のネットワーク
治安管理/安全保障から日本とイスラエルを考える
http://midan.exblog.jp/12764691/
9.11をきっかけとした世界的な管理/監視体制の進行は、
『危機管理先進国』イスラエルにも、私たちの日本にも大きな影響を
与えた。周辺諸国から孤立しつつ、アメリカとの二国関係に依存してきた
イスラエルと日本。二つの国を同時に照らし出す視角はあるか。
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■映画・連続講座
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★ 連続講座:ジャーナリスト実践養成講座
マスメディア業界を目指している方、フリーで取材する方、
ブロガーなど記事文章の上達を目指している方にお薦めの実践養成講座。
「ジャーナリストのための実践英語入門講座」など幅広く。
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★『鶴彬 ーこころの軌跡ー』
万歳とあげて行った手を大陸へおいて来た──
数多くの鋭い反戦川柳を詠んで戦争反対を貫き、獄中に果てた鶴彬の生涯。
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★『沈黙を破る』
http://www.cine.co.jp/chinmoku/
考えるのをやめたとき、僕は怪物になったーー
「祖国への裏切り」と非難されながらも加害行為を告白する、
若いイスラエル兵士たちがいた。
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★『チェチェンへ アレクサンドラの旅』
孫へのまなざし 平和への祈り ロシアの見たチェチェン
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★『ビリン・闘いの村』
http://www.hamsafilms.com/bilin/
パレスチナ暫定自治区、ヨルダン川西岸のビリン村。
若者たちは非暴力の闘いに立ち上がった。
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