モスクワ、新年の抗議行動で60人以上の逮捕者

1/2「もうひとつのロシア」より。次のURLに画像多数:
http://www.theotherrussia.org/2010/01/02/60-detained-in-moscow-new-years-eve-protest/

 12月31日にモスクワで行われた、結社の自由を求めるデモの参加者は60人以上が逮捕された。このデモは「もうひとつのロシア」が組織し、全体ではおよそ400人ほどが参加した。

 警察側は、ジャーナリストやカメラマンを逮捕する際、とくに凶暴だったと、目撃者たちは語っている。逮捕者のなかには、82歳の旧ソ連異論派、リュドミラ・アレクシーヴァも含まれていた。彼女はモスクワ・ヘルシンキグループの代表者だ。人権活動家で、「連帯運動」のリーダーであるイリヤ・ヤーシンも、デモがはじまってほどなく逮捕された。彼の逮捕理由は開示を拒否されている。

 政府寄りの青年団体「若きロシア」は、デモ行進の参加者を挑発する役割を果たした。サンタクロースの衣装を着た青年団体のメンバーが、『悪いサンタを通すな』などと書かれたチラシをばらまき「お前たちは金のあるアメリカへさっさと帰れ」と騒いだ。

 逮捕者たちは31日の夜10時ころに、全員釈放されたが、モスクワ当局の今回の行動は、欧米、国内外の人権団体の非難をあびた。当日も、ホワイトハウスマイク・ハマー報道官は、「平和的な市民の行動を、当局が阻害しようとしたことに困惑を感じざるをえない。とくに米国としては、著名な人権活動家であるアレクシェーヴァさんの逮捕と拘留には、懸念している。逮捕者らの釈放は、表現と結社の自由において重要であり、米国は人権問題を重視している」と表明した。

 欧州議会のジェーズィ・ブザク議長もアレクシェーヴァさんの逮捕について、「82歳の女性を逮捕し、大晦日の夜に拘置所に入れたということに、非常な驚きを感じている。アレクシェーヴァさんは、長年の人権活動の功績により、2009年の欧州議会サハロフ賞を受賞しており、受賞後の記者会見では、ロシアへの帰国について懸念を表明していた。モスクワ警察の今回の行動は理解に苦しむ。ロシアでは、今だに人権活動家がデモをする自由さえないということか」と語った。

 12月31日のデモは、「もうひとつのロシア」が組織する、トリアムフ広場での毎月末恒例のデモの一環だった。このデモは、ロシア憲法31条にある、結社の自由をにちなんで、31日のある月に行われる。これまでの10月、8月、7月、3月の集会で、そのつど多数の逮捕者が出ている。