モスコーフスキー・コムソモレツ 「ギョウジャニンニク摘みで」

http://ingushetiya-ru.livejournal.com/736525.html

 ロシア特殊部隊、チェチェンとイングーシの国境地帯で14人の市民を殺害

 ロシア連邦保安局(FSB)が盛大にその成功を宣伝している、イングーシでの特殊作戦は最近の北コーカサスの作戦でもっとも大きな失敗の一つになるだろう。ヘリによる空襲によって、武装勢力だけでなく、ギョウジャニンニク摘みに山に入った一般市民が殺害されたと「モスクワのこだま」が生放送で伝えた。

 ゲヒ村のハスという、アチホイ・マルタン地区の宗教担当の役人がかけずり回って、住民たちに、事件のことを報道関係者に知らせないよう頼み、物的支援やその他の恩恵を約束してまわっているが、村人たちはこれを無視してモスコフスキー・コムソモーレツに連絡してきた。

 最近のイングーシ・チェチェン国境地帯の山で行われたロシア軍の特殊作戦で、村人7人が殺された。数人は既に葬られている。さらに、スンジェンスク地区の7人が殺された。われわれの情報によると、この若者たちはギョウジャニンニクを採りに山に入った。

 チェチェンはこのところ暖かで、この山菜は芽吹いたばかり、人々は珍味を求めて山へ行った。バターでも動物の脂でもおいしく食べられる。そのときに「ドック・ウマロフ強盗団」捕獲のための特殊作戦が行われ、無差別の空爆をおこなった。その結果、なんの罪もない14人の若者たちが殺されてしまった。
 この作戦のさい、山には一般の住民約150人が入っており、ほとんど全員が拘束され尋問された。

 特殊部隊は地上戦を避けて、ヘリで空襲することにした。しかし、上空から独立派と一般の人──ニンニク摘みの人たちを見分けるのは容易ではない。
 公式発表を信じるなら、今回約20名の武装勢力を殲滅したというが、近隣住民の考えでは武装勢力などではなく、そこに居たのはギョウジャニンニク摘みの人たちだけという。
 しかし、おそらくそれも間違いだろう。武装勢力も、ニンニク摘みも両方いたのだ。しかしヘリからではどこに誰がいるなど区別できず全員殺してしまったわけだ。これらの情報を総合すると、20人の武装勢力と一般市民14人が殺されたことになる。

 もっとも、武装勢力が間接的に一般市民殺害に関与したこともあり得る。まさにニンニク摘みが始まるときに作戦を計画したのかもしれない。このやり方のまずさはチェチェンの子どもにだってわかる。

 利口な特殊部隊だったら山になど入らず、上空からの援護を求める。その場合一般市民の犠牲は避けられず、そうなればこの事実を「ギャングども」のサイトが宣伝するだろう。われわれがこれを報じる目的はただ一つ。この数日コーカサスに新たに任命された大統領全権代表アレクサンドル・フラポーニンが試される瞬間が来たということだ。かれの国家的な任務というのは、現実の状況を調べて、それを公表することであり、責任者を罰して、アチホイマルタンの村民に謝罪することだ。もしこれがなされないのなら、どんな投資や経済健全化も、コーカサスの状況を変えることはできない。一般市民の犠牲者の身内なら、ことに若い人たちなら、山に入っていくだろう、それはもうニンニク摘みのためでなく、イチケリアの独立のためでもない、身内の血を償うためにだ。
 戦争はあまりに複雑で、軍人に任せておけないというわけだ。

(原文: http://www.mk.ru/incident/article/2010/02/13/429839-po-chesnoku.html )