【転送・転載歓迎】#363 アンナ本絶版へ! 地震関連情報

INDEX

 ・「ロシアン・ダイアリー」、「プーチニズム」絶版へ
 ・チェチェンからの手紙
 ・地震について。原子力資料情報室の情報に注目を


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■「ロシアン・ダイアリー」、「プーチニズム」絶版へ

 NHK出版から刊行されている、アンナ・ポリトコフスカヤの「ロシアン・ダイアリー 暗殺された女性記者の取材手帳」と、「プーチニズム 報道されないロシアの現実」が、今月で絶版になり、在庫も廃棄されるため、入手困難になります(「チェチェン やめられない戦争」はまだ大丈夫です)。

 3月18 日までの注文は受け付けるそうです。まだこれらの本を入手していない方は、ぜひお買い上げください。この本を一冊でも多く後世に残すためにも。図書館関係の方々も、ぜひ購入ご検討ください。

 政治の冬、再来ーー人権よりも国家イデオロギー、対話よりも絶対服従プーチン主義がロシアを覆いつくす。政治家、軍人はどんな金融犯罪を犯しても逮捕されず、軍隊では兵士が中隊ごと脱走して原野をさまよう。モスクワ劇場占拠事件の被害者たちは、なぜモスクワ市を相手取って訴訟を起こしたのか。プーチン再選の裏では何が起きていたのか。「プーチニズム」は、通常の報道では決して聞こえてこないロシアの現実を、一市民の視線で報告する一冊。

  NHK出版のサイトで購入: http://tinyurl.com/4ardf7x
  bk1で購入: http://tinyurl.com/4zphf8l
  amazonで購入: http://tinyurl.com/4de4dp3


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チェチェンからの手紙

 あるチェチェン人から、日本の地震被災者に向けたメールが届きました。短く紹介します。

 「日本の友人の皆さんへ

日本で震災に遭われた皆さんへの、私たちの深い共感を、どうかお受け取り下さい。血の通う心臓を持つ人間として、ニュースの画像には私たちも恐怖を感じます。日本のすべての人々がそうであるように。

皆さんが祈る時、私たちも、皆さんのために祈っています。民族と、家族の運命が切り開かれますように。犠牲者の皆様のご冥福がありますように。

どうか忘れないでください。私たちは遠く離れたところにいますが、心は共にあり、あなた方のために祈っています。私の姉妹と、チェチェン共和国のすべての女性からの同情とともに。Мариана. 」

 差出人に心当たりはなかったのですが、もとの手紙には、私(大富)が以前知り合ったチェチェン人の名前が書かれていました。

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地震について。原子力資料情報室の情報に注目を

 東北地方の悲惨な状況にもかかわらず、私の住む神奈川県は平穏です。町は買い物客で混み合っています。それでも、ラジオや懐中電灯、電池は品切れの張り紙。平穏なようでいて、実は不安な私たちの気持ちをよく表現しています。

 10年と少し前、仕事の必要に迫られて、原子力関係の本を読み漁っていた頃がありました。それ以来、原子力の問題はかなり批判的に考えるようになっていました。枝野官房長官の会見を何度も耳にするうち、その内容をそれまでの知識と突合せ、「なにかがおかしい」「本当はもっと深刻なはずだ」と思わずにいられませんでした。

 その矢先、福島第1原発の1号炉の建屋が吹き飛んだのです。いま、1号炉で漏れた放射性物質は北に150キロほどはなれた女川原発に届いているという情報もあります。

 「どうしてこんな地震のある日本に原発を作ったりしたんだろうね」という声を町で聞きました。それはきっと、あなたも、私も、本当に原発が恐ろしいということを知ろうとせず、反対の意思表示もしなかったのだから、当然といえば当然です。私に関して言えば、例の「読書」は、頭の体操でしかなかったのです。

 震災に見舞われて、家族を海の彼方に連れ去られた人々の上に、今度は放射能が降り注ぐのでしょうか。どうか、原発で行われている必死の努力が報われますように、祈ります。

 私は今、電力の一大消費地、関東圏に住んでいます。関東地方には原発はなく、もっとも近いところでも、東海村、そして御前崎浜岡原発です。東北の大震災によって、東海地震が引き起こされる可能性もあると思います。少なくとも、危険な断層上に立地している浜岡原発は、今すぐにでも停止しなければなりません。地震の続く新潟の柏崎刈羽原発も、危険なはずです。

 本当に原発が安全なら、東京に作るべきでした。

 しかし今は、「東京に作らなくてよかった」と思ってしまいます。では、福島だったらよかったのか? よかったとすれば、私たちに、原発死の灰が風に乗ってやってくることを想像し、恐れ、どんな風にそれを受け止めるかを、考える時間を与えられたことだと思います。

 なによりも、明日の日本を、原発のない国にするためには、どうしたらいいかを、切迫感を持って考える時ではないでしょうか。もし手遅れだとしても・・・今でなければ、いつ? ということです。

 政府からの情報は極めて限られたものです。しかし、市民団体の原子力資料情報室は、長い反原発の運動と研究を通じた蓄積をもとに、情報発信を開始しています。ぜひ、同室のサイトや、毎日行われている記者会見を、ネット上でチェックしてください。

 世界全体の未来を考えれば、まだ、手遅れではありません。この危機を、真剣に原子力の、核の問題を考えるきっかけにしましょう。

                (大富亮/チェチェンニュース)

 http://cnic.jp/ (原子力資料情報室)
 http://www.ustream.tv/recorded/13293527
 (13日17時から開かれた記者会見の録画)


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 ■イベント情報
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★ 4/27-5/1 池袋:写真展
 『旅人は見た−チェチェン戦争の歴史とふつうのひとびとの暮らし−』

http://d.hatena.ne.jp/chechen/20110305
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★ 3/16 文京:アジア記者クラブ
  日航「整理解雇」の隠された真相 マスコミによる労組批判の嘘に応えて

http://apc.cup.com/
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★ 3/19 文京:アラブ〈民衆革命〉とパレスチナの今後
          ─パレスチナ訪問報告を聞いて考える

http://midan.exblog.jp/16024339/
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★ 3/19 代々木:武力で平和はつくれない WORLD PEACE NOW 3.19

http://worldpeacenow.jp/

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