#365 チェチェンを忘れないで──裁かれない人権侵害──『アルディ−時効はない』上映とトークの集い


パネリスト:姜信子(作家)、岡田一男(映像作家)
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日時:10月9日(日) 14時−16時30分(13時30分開場)
会場:明治大学リバティータワー6階 1065教室
交通:JR中央線総武線東京メトロ丸ノ内線 御茶ノ水駅 下車徒歩3分
参加費:800円(学生500円) 予約不要・先着順(定員140人)
お問い合わせ先:電話03-3518-6777(アムネスティ)
メール: clc[at]chechennews.org (チェチェン連絡会議) ※事前のお申し込みは必要ありません。
共催:チェチェン連絡会議公益社団法人アムネスティ・インターナショナル日本ヒューマン・ライツ・ウォッチ

 ロシア軍による16年間にわたる軍事侵攻と占領で、コーカサス地方の小さな国、チェチェン共和国は、人口100万人のうち、およそ1/4にあたる25万人を失いました。また、十数万人のチェチェン難民が、世界各地で難民生活を余儀なくされています。

 今回上映する『アルディ』は、2000年にチェチェンのノーヴィエ・アルディ村で、ロシア軍の掃討作戦によって約70名の村人が無差別に虐殺された事件をめぐるドキュメンタリーです。

 チェチェンでは、武装抵抗勢力に協力したり、それらに参加したと疑われた人の家族であるだけで、住民が拷問を受けたり、裁判なしで処刑されています。こうしたロシア・チェチェン政府の不法な人権侵害は捜査もされず、責任者が処罰されることはありません。

 さらに、政府による人権侵害を批判していた人権活動家もまた、次々に殺されています。『アルディ』に出演している人権団体「メモリアル」のナターリア・エステミーロワさんも、5ヶ月後の2009年7月に殺害されました。こうして、人権侵害はますます野放しになっています。

 上映にひきつづき、チェチェン問題に造詣の深い作家の姜信子さん、岡田一男さんによるトークを行います。『アルディ』を見て、お隣の国・ロシアで何が起きているのか、一緒に考えてみませんか?

●上映作品『アルディ─時効はない』について

2000年2月5日、ノーヴィエ・アルディ村で、ロシア連邦軍によって約70名の村民が殺された。殺された住民のほとんどは老人、女性、子どもだった。住民たちはこの事件をヨーロッパ人権裁判所に訴え、ロシア政府は敗訴。ロシア政府は被害者側に約15万ユーロの賠償金を支払うよう命じられた。映画は村民が撮影したビデオと、のちに「メモリアル」が、行った目撃者へのインタビューから構成されている。(2009年2月制作 ロシア人権擁護センター「メモリアル」、「平和と非暴力の家」、ヤブロコ党サンクト・ペテルブルク支部 32分)

●パネリストのプロフィール

姜信子(きょう・のぶこ) 作家。1961年横浜生まれ。1986年に「ごく普通の在日韓国人」でノンフィクション朝日ジャーナル賞。民族や国家といったものにのまれぬ生き方と言葉を探し、移民・難民・旅を生きる人々を訪ねて、中国、台湾、沖縄、サハリン、ハワイ、中央アジア、ロシア……と旅を重ねる。カザフスタンの荒野でチェチェン人一家と出会ったことが、チェチェン問題との関わりのはじまり。著書に『うたのおくりもの』(朝日新聞社)、『棄郷ノート』(作品社)、『日韓音楽ノート』(岩波新書)、『ノレ・ノスタルギーヤ』『イリオモテ』(いずれも岩波書店)など。

岡田一男(おかだ・かずお) 映像作家。1942年東京生まれ。1960年代、モスクワの全ソ国立映画大学で劇映画演出を学んだ。留学時以来の体験と、旧ソ連知識人、芸術家たちとの交流から、旧ソ連辺縁部のロシア語を母語としない人々の民族・人権問題に深い関心を寄せてきた。チェチェン問題では、女性映像作家ザーラ・イマーエワと外科医師、ハッサン・バイエフの来日支援を通じて、チェチェンの子どもたち日本委員会を立ち上げた。

以上