ヒラリー・スワンクのチェチェン訪問始末

 芸能報道にチェチェンがのぼる、珍しい例。

 ハリウッドの俳優で、二度のオスカーにも輝いたヒラリー・スワンクが、10月5日にグローズヌイで開かれた新しいビル「グローズヌイ・シティ」の完成記念イベント兼・ラムザン・カディロフの誕生会に出席し、「グローズヌイの人々はニューヨークの人々よりもイケている」といった発言をしたために、HRWなどの人権団体から批判され、「反省している」というコメントを発表。

 一説には、スワンクはこのイベントに出席して10万ドル以上ものギャラを受け取ったとも言われるが、返納するのではなく他のチャリティ団体に寄付するらしい。他に、俳優のジャン・クロード・ヴァン・ダムや、イギリスのバイオリニスト、バネッサ・メイがこのイベントに出席。

 それにしても、カディロフ自身は商才もないしチェチェンには産業はほとんどないはずなのに、どうしてこれだけの金を無駄遣いできるのか。もちろんそれは連邦から降ってくる予算の流用と、下々の人々から巻き上げた賄賂のたぐいである。返納できないなら、ロシアの民主派や、チェチェン戦争に反対しているグループにカンパすることはできないものか。

 ただ、このイベントがカディロフの「お誕生会」であることは事前には注意深く隠されていた模様。カディロフが気を遣う相手はロシア政府ぐらいなので、その筋から露骨なお祝いを禁止されたと想像できる。
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オスカー女優、スワンクさん「深く後悔」 チェチェン式典出席 http://sankei.jp.msn.com/world/news/111014/erp11101417140003-n1.htm

【イタすぎるセレブ達】ヒラリー・スワンクチェチェン大統領の誕生日式典に出席を「深く後悔。」ギャラは慈善団体に寄付へ。 http://japan.techinsight.jp/2011/10/14braune_hilary_swank_deeply_regrets_attending_chechen_event.html