#378 モスクワで、ブダーノフ大佐の記念碑が建立された

 前回お届けした「プーチン、平和賞を受賞す」には、いろいろ反響をいただいて、考えさせられた。 ( http://tinyurl.com/74n63qr )

 「ひどすぎる」

 「呆れてものが言えない」
 
 「平和賞はどれも疑わしい」など。


 賞というのは、誰に、どのような理由で与えられるかによって、その賞の価値が左右されるのだろう。今回の「孔子平和賞」が、プーチンチェチェン戦争を始めたことを理由に与えられたことで、この賞に関わっている人々は、もしかして頭がおかしいのではないかと、世界中の人に思われた。

 逆に考えると、彼らがやったのは戦争やジェノサイドを肯定する立場から「平和賞」を出すという、一種つきぬけた行為だった。それによって、プーチンとロシア政府がどれだけチェチェンでひどいことをやっているかを照らし出すという、稀有な結果を出した点で、この賞にはかなり意義があった!

 どっちにしろプーチンにとって、もらって困る贈り物ではあったろう。

 今週の「率直な人賞」は、「レイプするときに予告する奴はいないだろう」という意味のことを言った、沖縄防衛局長の田中聡氏にあげよう。沖縄に関する防衛省の考え方をこれほどまでに明らかにした「功績」で。

 ところで、今週はあまり情報収集ができず、短いニュースをひとつだけ。

 これまたなんだかなと思うニュースですが・・・

(11月29日ラジオリバティー)

 チェチェンで少女強姦絞殺事件を起こして収監され、出獄後の今年6月に殺害されたロシア陸軍のブダーノフ元大佐の記念碑が、モスクワに建てられた(写真)

 ブダーノフは事件のために懲役10年の刑となり、2003年から収監されていたが、2009年に模範囚として釈放されていた。この釈放については、各人権団体はもとより、チェチェンの親ロシア派にさえも強く批判されていた。

 ブダーノフは2011年の6月10日に、モスクワのコムソモール地区で銃殺された。捜査当局は、チェチェン人のマゴメッド・スレイマノフが犯人とみて逮捕した。

 先週開かれた記念碑の除幕式には、ロシア自民党ジリノフスキー党首も含め15人ほどの活動家が参加した。自民党によれば、元大佐の子どものヴァレリー・ブダーノフは、同党に参加する見込みだという。

 ヴァレリーは取材に次のように答えた。

「父を尊敬してくれている方々の支援で、父の誕生日の11月24日に、石碑を置くことができました。自民党が出したわけではありません。地元の市民とも相談していまして、みんな賛成してくれています。交通の邪魔にもなっていません」

 というが、近所の、石碑が見える場所に住んでいる女性は、「中庭公園をお墓にしてはいけないはずだけど」と迷惑顔。「近所で別の女性の殺害事件があったんだけど、その墓石も、ここに来るのかしら?」

 記念碑の置かれたハモフニキ地区当局は、この記念碑の存在を知らないと答えた。一般的には、こうした記念碑のためにモスクワ当局の許可を取るのは非常に難しく、多くの合意書や官僚的手続きと許認可が、建立の前になされる。許可を得なかった場合には罰金が課される場合も多い。
http://www.rferl.org/content/menmorial_erected_to_moscow_colonel_who_killed_chechen_teen/24406197.html

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