メディア時評・書評

シリーズ 内戦と子どもたち チェチェン紛争 子どもたちの情景

(「メランコリーの3つの部屋」というフィンランド制作のドキュメンタリー)テレビがない我が家のために(?)あるひとが、トランスクリプションを作ってくれたので、掲載します。ご覧になっていない方はどうぞ。雰囲気のある作品のようです。 第1の部屋 …

「ロシアの女優、映像プロデューサー、オリガ・コンスカヤさんが亡くなりました」

映像作家の岡田一男さんの追悼文: http://chechenchildren.jpn.org/oliga.pdf ロシア生まれでモスクワ芸術座出身の舞台女優であり、優れた映画のプロデューサーとして、夫である映像作家アンドレイ・ネクラーソフを支えていたオリガ・コンスカヤさんが、5 …

「世襲議員ゴールデン・リスト」

世襲議員ゴールデン・リスト作者: 世襲政治を考える会出版社/メーカー: データハウス発売日: 2009/05メディア: 単行本 クリック: 5回この商品を含むブログ (4件) を見る という本が出版された。著者の一人に、ジャーナリストの林克明さん。興味津々の一冊。

【群像社 今月の新刊】カフカースのとりこ (中短編集)

カフカースのとりこ―トルストイ中短編集 (ロシア名作ライブラリー)作者: レフ・ニコラエヴィチトルストイ,ナターリヤチャルーシナ,青木明子出版社/メーカー: 群像社発売日: 2009/04メディア: 単行本 クリック: 4回この商品を含むブログ (4件) を見るトルスト…

鈴木宗男/佐藤優 「北方領土『特命交渉』」

北方領土「特命交渉」作者: 鈴木宗男,佐藤優出版社/メーカー: 講談社発売日: 2006/09/22メディア: 単行本 クリック: 27回この商品を含むブログ (19件) を見る 思うところあって、チェチェン専門書以外の本でチェチェンについて書いてあったら書評してみる。…

田原総一朗/佐藤優「第三次世界大戦」

第三次世界大戦 新・帝国主義でこうなる!作者: 佐藤優,田原総一朗出版社/メーカー: アスコム発売日: 2008/12/25メディア: 単行本購入: 1人 クリック: 11回この商品を含むブログ (17件) を見る 次は佐藤優氏。 「インテリを戦略的に優遇し、懐柔するプーチン…

大前研一「ロシア・ショック」

ロシア・ショック作者: 大前研一出版社/メーカー: 講談社発売日: 2008/11/11メディア: 単行本購入: 1人 クリック: 11回この商品を含むブログ (28件) を見る 経済危機直後に出た痛い本。 著者によると「ロシア・ショック」というのは、「プーチンが2020年まで…

『占領ノート 一ユダヤ人が見たパレスチナの生活』

エリック・アザン=著 益岡賢=訳 現代企画室刊 ぜひお勧めしたい本です。書評はもう少々お待ちください。(と)

これから書きます。

ロシアの良心

(東京新聞10月3日夕刊「放射線」欄より) 10月7日は、私が世界で最も尊敬するロシア人ジャーナリスト、アンナ・ポリトコフスカヤの命日である。2006年のこの日、プーチン政権の闇を暴き続けてきたポリトコフスカヤは、自宅前で何者かに銃で暗殺された。 4年…

廃墟の上でダンス チェチェンの戦火を生き抜いた少女

(ミラーナ・テルローヴァ著/ポプラ社 \1,500 ) もうじき夏休みが来るので、小さな読書家たちにはぜひこの本を読んでほしい。 チェチェンでの戦争を子どもの頃から経験し、今は遠いパリで勉強をしている若い女性の書いた本だ。だまされたと思って読み始めて…

新体制ロシアをどう見たか

5月7日にドミトリー・メドベージェフがロシア新大統領に就任して1か月以上がたった。「新体制」発足にあたって日本の各メディアはこれをどう評価したのか。また、チェチェン問題はどう扱われていたのか。新聞の論説を追ってみた。 結論から言えば、各紙の論…

沖縄性暴力事件をどう語るか

2月10日、沖縄で14歳の女子中学生が米海兵隊員に暴行されるという事件が起こりました。すでにご存知の方が多いと思いますが、6紙の社説(産経は「政論探求」)を読み比べて考えたことを書いてみたいと思います。 事件については、アジア女性資料センター、アク…

娘と映画をみて話す民族問題ってなに? 娘と映画をみて話す民族問題ってなに?

娘と映画をみて話す 民族問題ってなに?作者: 山中速人出版社/メーカー: 現代企画室発売日: 2007/06/01メディア: 単行本 クリック: 5回この商品を含むブログ (7件) を見るハワイ生まれの高校生ナニと、民族問題研究者の父親が、いろいろな映画を見ながら民族…

カディロフ、日本メディアを招待、もう少し詳しく

先日、チェチェン総合情報/チェチェンニュースでお伝えした「チェチェン復興」に関する記事について、もう少し論じてみたいと思います。 まず、いつからいつまで行われたのかが、どの新聞にも明記されていませんが、あの取材旅行は「ロシア外務省が主催した…

ロシアン・ダイアリー 真実追い殺された記者

10/6 産経新聞【書評倶楽部】NHK副会長・永井多恵子 『ロシアン・ダイアリー』 真実追い 殺された記者 灰色の髪、銀縁のめがねの奥から鋭い視線が読者を見据えている。 アンナ・ポリトコフスカヤ、ロシアの独立系新聞社の女性記者は2006年10月、何…

『ロシア闇の戦争』書評

201×年、日本国内で大規模な連続テロが発生。日本中がパニックに陥る中、政府与党はテロを北朝鮮工作員の犯行と断定し、金政権への強硬政策を訴えて選挙に圧勝した。ところが、日本軍が北朝鮮に侵攻し、国民が戦争を支持するきっかけとなったテロ事件は、実…

『コーカサスの金色の雲』著者プリスターフキン

『コーカサスの金色の雲』という小説がある。第二次大戦時、チェチェン人をはじめとした諸民族がスターリンによってカザフスタン等に強制追放されたが、その彼らのいなくなった土地にまた別の民族が移送され、この安易かつ非人道的な政策が現在にまで続く対…

『ロシアン・ダイアリー』書評

生き続けるためには服従しなければならない。そんな光景がこの世界にはあふれている。つまり、反抗は死を意味するということだ。服従は必ずしも易々となされるのではない。苦しみ、痛み、悔しさ…数え切れないほどの涙を流し、叫び声を上げ、抱えきれないほど…

『ロシアン・ダイアリー』書評

「私にはすべてが見えている――『楽観的な予測』を喜ぶことができる人がいるなら、そうすればいい。そのほうが楽だから。でもそれは自分の孫への死刑宣告になる」 本書『ロシアン・ダイアリー』を読んでなお、私たちは未来の世代への死刑宣告を下すことができ…

謎の記者暗殺いずれも未解決

7/1 信濃毎日新聞 書評 池上彰 (TTさん、いつも情報ありがとうございます)

「暗殺大国ロシア」

「人々に影響を与える方法は三つ、脅しとウォッカと殺しの恐怖」(ロシア大統領プーチン) 学術新書からすごいタイトルの本が出版されました。寺谷ひとみ著、「暗殺大国ロシア—リトヴィネンコ毒殺とプーチンの野望」。 http://www.bk1.co.jp/product/2794564…

ロシア軍ヘリ墜落・阪神支局襲撃・愛知立てこもり事件におけるチェチェン問題の想起

「ロシア空軍ヘリ墜落事件」 4月末から5月末までの一カ月間、日本のマスコミによるチェチェン関連報道を見てみると、まずは4月27日にチェチェン領内で起こったロシア空軍ヘリの墜落事件記事を見つけることができる。といっても、これはいくつかの新聞に小さ…